安全性・正確性に世界が注目鉄道技術展[口コミ]@鉄道技術展 後編
- 2020/4/28
インバウンド向けの製品に関心
高見沢サイバネティックス(東京都中野区)
券売機メーカーで、出展は今回で5回目になる。インバウンド対応が可能な大型の券売機が注目を集めた。訪日外国人が増えており、多言語対応は必須だ。また、地方鉄道向けの、昔ながらの券売機も展示した。路線が単純な地方の鉄道では、昔ながらの券売機の方が利用しやすいという声は多い。券売機は多機能なものとシンプルなものの二極化が進んでいる。さらに、クレジットカードでの切符購入やチャージをしたいとの需要も増えてきた。従来クレジットカードには対応できたが、ICカードは未対応が多い。
来場者が興味を示したのは、大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)と共同開発中の、顔認証を使ったセキュリティゲートシステム。入居室管理システムを、鉄道の改札で利用できないかという実証実験中のものを展示した。全国の鉄道事業者に一度にアピールでき、非常に手応えも大きい。名刺交換は1日200枚くらいだ。
求められる保守要員不足の解決策
京三製作所(横浜市)
交通インフラの設備を取り扱う。JRや私鉄など鉄道事業者が中心で、関係者が満遍なく来ている。手応えは大きく、来場者は1000人以上。来場者が関心を示したのは世界初の技術で、特許も取得した、可動ステップ。導入するにはホームの補強が必要で、費用もかかるが、可動ステップを軽量化することで、施工費は従来の半額に抑えた。来場者の要望は保守の軽減だ。人間が目視で行ってきた作業を、カメラやセンサを用いることで、保守要員の不足の解決になる。
日頃出会えない来場者と出会える
三工社(東京都渋谷区)
鉄道信号機メーカー。来場者は鉄道事業者と工事会社が中心。今回は踏切警報器を主に展示した。来場者が求めるのはスマートメンテナンス。人手不足を解消するため、手間を減らせるものを探している。信号機や警報機は一本一本、作業員が夜間に目視で検査している。そこで、IoT機器で常時監視することにより手間を軽減するシステムを現在開発中だ。今まで人間が2人でしていたことを1人でできないかなど、少ない人数でチェックできる体制を目指す。この展示会は、日頃出会うことのない人と出会うことのできる貴重な場だ。前回出展時にもいくつか取引につながった。
海外からの関心あった
フジプレコン(愛知県知多郡)
道路側溝・鉄道トラフメーカー。今回は鉄道路線に沿って敷設されることが多い、ケーブルトラフ(通信・送電など各種ケーブルの格納製品)を中心に、道路向けの製品も同時に展示した。来場者は鉄道関連やインフラ土木関連。海外からの来場者も目立ち、インドや韓国の鉄道会社はコンクリート製品に興味を持ってくれた。来場者の関心は、限られた敷地でどのようにケーブルを這わせられるかということ。鉄道技術の進化に伴い、通信や信号、配電、送電など各種ケーブルが必要になり、既存のケーブルトラフでは対応できないケースが出てきている。
そのなかで考案したのがコンクリートの型枠だ。木の型枠を組んだり、片づけの手間がなくなる上、現場での失敗も減る。意外な需要として、電気関連の来場者からの関心があった。そもそも電気関連の人がコンクリート製品を求めることは今までなかった。この展示会は年々来場者も増えており、海外からの来場も増えている。日本の技術を欲しがっているのが分かる。
JECA FAIR(電設工業展)
2020/5/27(水)~29(金)
@インテックス大阪 3~5号館
主催:(一社) 日本電設工業協会
ハイウェイテクノフェア
2020/11/5(木)・6(金)
@東京ビッグサイト 西3・4
主催:(公財) 高速道路調査会