安全性・正確性に世界が注目鉄道技術展[口コミ]@鉄道技術展 前編

  • 2020/4/28
展示会名:第6回 鉄道技術展
会期:2019年11月27日(水)~29日(金)
会場:幕張メッセ 国際展示場5~8
主催:フジサンケイ ビジネスアイ
出展者数・小間数:605社・1277小間
同時開催:橋梁・トンネル技術展

 隔年開催の鉄道インフラに関する専門展示会。2010年に初めて開催された。今回のテーマは「安全・安心・快適・環境・省エネを追求」。日本の運航の正確性や安全性は世界からも注目を集めており、 海外からの来場者も増加している。同時開催の「橋梁・トンネル技術展」では、評価や維持管理、補修といった保全技術と、ロボット技術やAIといった次世代の橋梁・トンネル建設技術や製品が多数展示された。


メンテナンスフリーが業界全体のトレンド

スミハツ(東京都千代田区)

 総合軌道メーカーで、初回から出展を続けている。来場者は事業者と関連会社。海外からの来場者も例年より多く、日本の鉄道技術に関心が集まっているのが分かる。来場者の要望はとにかくメンテナンスフリー。いかに手間を減らせるかを常に考えており、掃除が要らないような製品が現場で好まれる傾向だ。来場者が関心を示したのは、枕木の下に置かれる砂利を偏らないようにするレベルキーパーで、10年間かけて昨年製品化した。ここは専門展示会なので、製品をアピールするには最適の場で、会期後どれだけ受注につなげられるか期待している。名刺交換は1日に100枚を超えた。


来場者1・5倍増

保安サプライ(東京都中央区)

 鉄道標識を取り扱う。JR各社が地域で主催する商談会や、六本木ヒルズでの「天空ノ鉄道物語」にも出展する。来場者はJRや私鉄各社など鉄道事業者が全国から集まった。電気・土木・軌道などの鉄道関連企業の来場も多い。来場者の需要はメンテナンスフリーだ。人手不足の中で、少しでも作業を軽減できるものを探している来場者は多い。また、ホームに貼る案内板も、顧客の要望に合わせて形にしており、最近はユニバーサルデザインにピクトグラム(視覚記号)を入れることが主流だ。今回はかなり盛況で、前回の1・5倍は来場している印象。前回のブース来場者は3日で850人だったが、今回は2日ですでに1100人の来場がある。


幕張メッセ 遠い

ヌマタ(大阪市)

 デジタルサイネージを取り扱っており、出展は2回目。来場者はほぼ鉄道関係者。今回は鉄道やバス会社に向けたデジタルサイネージの筐体を展示した。来場者の要望は見やすさと明るさ、多言語対応だ。特にインバウンド対応しやすいデジタルサイネージは相性が良く、導入を考える来場者も多いと感じた。デジタルサイネージの費用も安価になり、導入が進んでいる。長寿命という点も評価が高く、現在駅の表示板の2~3割はデジタルサイネージに変わった。小型化にも対応したことで取り付ける場所も多様化している。この展示会は来場者も多く、注目してもらえて、大きな手応えを感じた。あえて難点を上げるなら幕張の遠さだ。


海外からの出展増えた

東京計器レールテクノ(東京都大田区)

 保線検査機器を取り扱い、軌道保守も担う。以前はJRや大手機器メーカーの出展はなかったが、年々増加。安全意識の高まりと人手不足による省人化・省施工・省保守を求める鉄道事業者が増えている。安全を確保しつつ人員を減らしたいという考えだ。 また、海外出展も増え、技術の進む欧州メーカーが、日本市場への参入を狙っている。実際、現場の保守機器は海外製の方が多い。すぐに商売にはならないが、現場の声が聞ける。

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