山梨銘醸 欧州初出展 商品の評価見極めに【海外展示会挑戦記】
- 2018/5/26
- ProWein(国際ワイン・アルコール飲料展), ドイツ, 日本酒, 食品・飲料
▲主力ブランド「七賢」は2002年に進出した東南アジアで市場を獲得した
日本酒「七賢」を醸造する1750年創業の山梨銘醸(山梨県北杜市)は、2002年に海外進出を始め、東南アジアを中心にアルコールを取り扱う展示会に出展を続ける。今年は欧州での販路拡大を目指し、ドイツ・デュッセルドルフで開催されたワインとアルコール飲料の国際展示会「ProWein」に初めて出展した。
「ProWein」では、売り上げを目的にせず、自社の商品がどのように評価されるかという市場調査に集中した。世界で受け入れられる商品をつくる考えは無く、七賢を求める国や市場を探すことに主眼を置くからだ。会場ではシャンパンメーカーの担当者がスパークリング日本酒に食い付き、何度もブースを訪れた。
初出展でいくつかの課題が見つかったようだ。東南アジアで得てきたほどの強い手応えを今回の「ProWein」ではつかめなかった。原因は価格にある。関税の影響で、日本酒の販売価格は欧州産のワインに比べ2倍、3倍になってしまう。東南アジアでも関税はかかるが、ワインも現地生産されないため、同じ土俵で戦うことができるのだ。
北原対馬専務は「それでも出展の意味は大きい」と話す。市場調査の現段階では、評価の感触をつかむ。