焼肉専門の展示会大手をも巻き込み東京と大阪で開催 @ミートフードEXPO/焼肉ビジネスフェア
- 2018/2/21
- ミートフードEXPO, 池袋サンシャインシティ, 食品・飲料
▲今年で10回目の開催となる
「ゼロからのスタートを支えてくれた人たちに感謝の気持ちしかない」。そう語るのは、焼肉ビジネスフェアの企画者であり、展示会事務局を務めるエヌイーオー企画(東京都中央区)の中津川栄之助社長である。日本食糧新聞社や全国焼肉協会らの協力を得て、2009年に同展を初開催。営業活動や運営を実質的に取り仕切ってイベントを切り盛りした。
無謀と言われながら10周年突破
「10年前は業界の人たちも『焼肉で展示会が成立するのか』と半信半疑だった。説得と小間を埋めるのに必死だった」と初開催を振り返る。
今では展示規模も来場者数も約2倍となり、開会式のテープカットに有名焼き肉店や大手外食産業などの重鎮が並んでいる。
セミナーの講師にも話題性のある著名人がこぞって登壇するまでに、業界の認知と評価は高まった。
会場に支えられた初開催への道のり
初開催にあたって課題となったのは、会場選びだった。東京会場は初開催時から池袋サンシャインシティ文化会館だったが、正直なところインフラだけを見れば東京ビッグサイトや幕張メッセの方が優れていることは明白だった。
また、同展では当然のことながら多くの出展者がブース内で肉を焼き、調理する。その際の排気環境やガス設備など独特のユーティリティをどうやって整えるかという大きな問題もあった。
関係者や出展者からも「ここでは成功できない」と言われたが、そんな声を打ち消してくれたのが、サンシャインシティのスタッフだったという。
「この展示会のために排気設備を整えてくれ、細かい要望にも親身になって対応してくれた。一般のお客さまも多い商業施設で、臭気のことや来場者の整理などでも苦労しているはずだが、私たちの知らないところで守ってくれているのだと思う」と中津川社長は振り返る。
展示会主催者は何よりも出展者・来場者のため、立地やインフラを重視して施設を決める。その一方で、長年イベントを影で支え続けてくれた会場に対する感謝も忘れない。
「仕事って、やっぱり人だと思う。サンシャインシティのスタッフは、会場担当というより仲間のような存在。この会場でこれからも展示会を続けていきたいと考えている」(中津川社長)
大阪にも進出 地域の味を求めて
当初は東京だけでの開催だったが、2012年には大阪での開催に踏み切った。地方開催を尻込みする主催者が多い中、東京で規模を拡大することよりも、展示会の裾野を広げることにこだわったからだ。
「食文化は関東と関西では違う。小売店はご当地食材を求め、外食チェーンも地方ごとに味付けを変える時代。だからこそ、地方開催に意義があると考えた」と中津川社長は語る。
その読み通り、大阪会場は出展者・来場者ともに違いが現れた。今年の来場者は2日間で1万2294人。東京より規模は劣るものの、地域色が濃く、手応えを感じる結果となっていた。
国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材。