非接触やキャッシュレス化、人手不足解消につながる製品に注目集まる[口コミ]@国際コインランドリーEXPO 前編
- 2022/1/27
- インテックス大阪, 国際コインランドリーEXPO, 流通・EC・店舗
会期:2021年9月15日(水)・16日(木)
会場:インテックス大阪 3号館
主催:クリーンビジネスフォーラム 実行委員会
出展者数:15社(クリーンビジネスフォーラムの出展者数16社と重複あり)
来場者数:2341人(出展者等含む入館延べ人数)
同時開催:第5回 クリーンビジネスフォーラム 2021
クリーニングの展示会「国際コインランドリーEXPO」には、コインランドリーの経営者や参入を検討する人が集まった。従来は家庭で洗濯していたウール素材の衣服やペット用品、布団などをコインランドリーでセルフクリーニングする需要が高まり、また他店との差別化を求めて、専用の設備を求める来場者が目立った。非接触やキャッシュレス化、人手不足解消につながる製品に関心が集まった。
コロナ下での新規顧客の獲得には、DMやウェブセミナー、自社サイトに相談窓口を設置するなど、オンライン営業に取り組む出展者が多かった。
既存オーナーと今後検討している人の来場が多い
アクア(東京都中央区)
洗濯機、冷蔵庫のブランド「AQUA」の国内販売を担っており、この展示会には毎年出展している。業務用もあり、今までは27キロの洗濯機までだったが、今回は2022年発売予定の超大型34キロの洗濯機を紹介した。新型コロナウイルスの影響で、コインランドリー用の洗濯機や洗濯乾燥機では布団やカーペットなどの大物を洗う需要が増えた。シングルサイズの布団なら27キロでいいが、セミダブルサイズになると34キロの容量が必要になる。洗濯機のコースに布団専用コースをプログラムしている洗濯機もある。
コインランドリーの経営を検討している人のブース来場も多かった。今回のブースでは壁の外に展示した洗濯機や洗濯乾燥機を見て、商談希望する来場者のみ壁の内側に入れるようにした。既存のオーナーからはキャッシュレス対応の要望があった。リアル展示会に出展する以外には、新規顧客を獲得するためにHPに相談窓口を設け、年に数回リモート相談を受けている。地域の市場調査をし、最適なプランや設備を提案する。
コロナ下ではエリアごとのウェブセミナーが有効
Fujitaka(京都市)
商業施設の設計・施工、コインランドリーやパーキングなどの事業化提案等を行う。緊急事態宣言下の開催のため、もっと来場者が少ないだろうと思っていたが、予想より多い。既存顧客の来場もあり、出展してよかった。例年と比べると、来場者も出展者も少ないが、初日は60組がブースを訪れた。多くはコインランドリーの経営者なので、具体的な相談も多かった。コインランドリーの魅力の1つは、すぐに現金化できることで、個人経営の方が多い。コロナ下でも多くのオーナーが売上が下がらず、増収だったという、いい話を多く聞くことができた。新500円硬貨に対応する両替機についての質問も多かった。
コロナ下での営業は、エリアごとにウェブセミナーを開いている。慣れない人も多いが、土地活用には興味があるようだ。コミュニケーションを取りやすいので、ウェブセミナーは有効で、「土地を見に来てほしい」という話にもつながりやすい。
毎月のウェブセミナーが新規顧客との出会いの場
ランドリープレス(北九州市)
コインランドリーやクリーニング工場の企画・設計施工、機器販売を行い、コインランドリーのフランチャイズ展開をしており、この展示会には毎年出展している。11月に関西支社をオープン予定のため、その足掛かりにしたいと考えた。ブース内では既存顧客や新規オープンを検討中の来場者と商談した。非接触やキャッシュレスの需要があった。アプリを入れれば、プリペイドカード、カード決済、スマホ決済といったキャッシュレス対応が可能だ。スマホと連動して、店内の混み具合をチェックすることもできる。来場者は、IoTの27キロ洗濯機に注目していた。
新規顧客獲得のための営業は、各エリアで進めている。新規出店を希望するオーナーに対し、ウェブセミナーを開催する。月に1回のペースでだいたい5~6人が参加し、ここが新規顧客との出会いの場となっている。
コロナ下ではオンラインセミナーを開催
エレクトロラックス・プロフェッショナル・ジャパン(東京都港区)
スウェーデンの家庭用・業務用電気製品メーカーの日本法人。ウール製品やダウンジャケットなどデリケートな衣類を、コインランドリーでセルフクリーニングできる設備を紹介した。水流作用などで生地をコーティングして縮みや変形を防ぐ独自機能を持つ。これを導入することにより、新規利用者の獲得や他店との差別化を打ち出し、客単価や利用頻度のアップを目指す。ブースには、コインランドリーのオーナーが訪れ、かなり評判が良かった。このほか、ペット用品専用洗濯機も好評で11キロの大型機も紹介した。メインの洗濯乾燥機ではQR決済システムを導入した。利用者はスマホで完結でき、オーナーは遠隔操作で値下げなど機器のリセットや返金操作などが可能になった。両替機の確認作業も減り、犯罪防止にもつながる。
ブースには、投資家よりは既存のコインランドリーオーナーが多く来場した。エステ併設の法人から「領収書を発行できるシステムが欲しい」など、利便性を追求する要望が聞かれた。コインランドリー市場は約1200億円が頭打ちだと懸念されている。ウール製品用やペット用といった新たな利用価値を生み出すことで市場を拡大できる可能性がある。
コロナ下での営業活動としては、オンラインで経営セミナーを開催した。開業予定の人は、設備よりも経営やソリューションのことに興味を持つようだ。