コロナ下でも需要衰えず、新規顧客法は模索中[口コミ]@賃貸住宅フェア 前編

展示会名:賃貸住宅フェア
会期:2021年9月15日(水)・16日(木)
会場:パシフィコ横浜 展示ホールB・C・D
主催:全国賃貸住宅新聞社
同時開催:第23回 リフォーム産業フェア、不動産ソリューションフェア

 賃貸業界の展示会「賃貸住宅フェア」には、物件オーナーや不動産管理、リフォーム、工務店の関係者が集まった。不動産テック関連の出展が増加した背景には、新型コロナウイルスの影響でVR内見などのオンラインサービスを求めるユーザーや、テレワークの普及でオフィス環境を見直す企業が増えたという住宅市場の変化がある。例年と比べて来場者は減ったものの、展示会は直接意見を聞くことができる貴重な場だ、真剣な来場者が多いなど手応えを感じる出展者が多かった。


名刺交換はスタッフ1日30枚の目標を達成できそう

リビン・テクノロジーズ(東京都中央区)

 不動産テックを扱っており、この展示会には5回以上出展している。ターゲットは、不動産会社、不動産管理会社、住宅関連会社の従業員、経営者層だ。この展示会は毎年、出展者が変化している感じがする。以前はオーナー向けサービスが多かったが、最近は不動産テックが年々増えており、我が社にとっても非常に重要な場と位置づけている。確かに来場者数は減っており、手応えを一言で言うのは難しいが、新入社員がブース前で接客するのはいい経験だ。名刺交換はスタッフ一日30枚を目標に接客していて、実際全員ノルマを達成できそうな勢いだ。

 コロナ下ではオンラインツールの活用が進んでいる。不動産会社の意識にも浸透してきており、我々の自社ツールで先導していけたらと思う。リード獲得数では、不動産業界ではウェブよりも対面を好むので、リアルの方が割合的にはまだ少しだけ多い。ウェブからの集客も徐々に増えており、テレアポを経ての面会というのが普通になっている。


人数は減ったが、真剣な来場者が多く、商談はしやすい

サンリミックス(大阪府泉北郡)

 壁紙のクリーニングや補修をしており、この展示会には10回以上出展している。全国にFC展開しており、東京、大阪、福岡、愛知でのイベントやフェアに参加している。ブース来場者は、ほとんどが賃貸関係のオーナーや不動産管理会社で、一部リフォーム業者やハウスメーカーもいた。例年に比べると来場者はかなり少なく、コロナ前に東京ビッグサイトで開催されていた時の3分の1くらいで、ブース来場者は半分くらいの感覚だ。ただ、人は少ないながら、真剣に製品やサービスを探している人が多く、中身は濃い。とりあえず見に来ましたという人がほとんどおらず、やりやすい面はあった。出展者側からすると、出展してよかったと思っている。名刺交換枚数は1日あたり100枚ほどで、例年に比べれば少ない。

 コロナ下の営業では、除菌・抗菌したい、滅菌したいという新型コロナに関する相談が増えた。全体的には、コロナ前と比べても仕事は目減りしていない。我が社は不動産関連では賃貸物件の空室清掃をしているが、コロナ下で人が都会から地方へ移動する傾向があり、その影響で空室が出やすく、需要はあり続けている。継続的に問い合わせがあるので、コロナ下で新しく始めたという営業の取り組みは特にない。


名刺交換は初日で100枚

Lexi(東京都渋谷区)

 不動産テックサービスを提供しており、展示会に出展するのは初めてだ。ブースには不動産オーナーを中心に、不動産管理会社も訪れた。不動産のVRサービスをアピールしてるのだが、入居者を確保したい不動産オーナーからの問い合わせは多い。ただ、我が社のVRサービスは大手のビルオーナーが利用しており、ビルはきれいに見せたいという需要があり画質が良い分、簡易に360度の画像が撮れるシステムよりもコスト的には高めだ。この展示会に来場するのは、アパートやワンルームマンションといった小規模な物件を保有するオーナーが多いので、コストに見合わないという。ただ、多少のミスマッチはあるが、決して狙えない層ではないという感じがする。初日に100枚くらい名刺交換をした。2日目は初日よりも来場者が多いので、初日よりも増えそうだ。

 コロナ下では実際に物件を見に行けないケースが増えたので、VR内見が重宝されている。また、テレワークが促進された影響でオフィス改革を進める企業が増え、特にビル物件の空室率が上がっている。オーナーとしては入居者を募りたいという強い思いがあり、VRツールの需要は高い。既存顧客とのつながりで、リピーターや問い合わせが増えているという感じで、今は何もしなくてもお客さんが来てくれる状態だ。毎月30~40件くらいの依頼がある。プッシュ型の営業という意味では、この展示会だけだ。


来場者の熱量が高い

PID(東京都港区)

 不動産ITサービスを提供しており、この展示会には初めて出展した。入居者と管理者をつなぐサービスで、実際ターゲットである不動産管理会社と物件オーナーがブースを訪れた。SNSやチャットでコミュニケーションが取れるので、不動産管理だけでなく、建設業界や家賃保証をする保険会社などとも話ができた。前回時と比べると、正直に言って厳しいが、来場者の熱量はかなりあるという印象だ。コロナ下でも訪れるのは情報感度の高い人が多い印象だ。製品の話をすると、前のめりになって聞いてくれる人が多かった。名刺交換枚数やチラシ配布数ではまだ目標数に達していないが、最も重要な顧客獲得数で言うと目標を達成できた。具体的には無料アカウントの登録数者数だ。1日10件という目標を立て、初日と2日目、いずれも達成できた。

 コロナ下では新たに2つのことを始めた。1つは日本各地のピッチコンテストに出場し、知名度アップを戦略として立てた。それによって、情報感度の高い人たちに我が社のツールを認知してもらいたいと考えている。我が社はベンチャー企業が集うアメリカ初のピッチコンテストにも出場し、優勝した。参加によって、積極的に情報発信をしていこうという取り組みだ。顧客を獲得できただけでなく、電通などの大手から協業したいと声がかかった。そこから新しいビジネスが生まれようとしているところだ。

 もう1つは、コロナ前から行っていたが、ウェブ会議や商談でリモートを促進した。首都圏のみならず北海道から鹿児島まで、基本的にリモート商談を行っている。具体的な数値は答えづらいが、コロナ前と比べると、顧客数は倍くらいに増えた。東京だけだった集客が全国に広がったのは大きい。

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