来場者半減も、リアルな出会いに手応えの出展者[口コミ]@メンテナンス・レジリエンス OSAKA 前編
- 2021/10/7
- SDGs(持続可能な開発目標), インテックス大阪, メンテナンス・レジリンスTOKYO, 建設・土木, 日本能率協会
会期:2021年7月14日(水)~16日(金)
会場:インテックス大阪 6号館A・B
主催:(一社)日本能率協会
出展者数:210社
来場者数:8234人
構成展:第45回 プラントメンテナンスショー、第13回 インフラ検査・維持管理展、第10回 非破壊評価総合展、第6回 建設資材展、第8回 事前防災・減災対策推進展、第5回 i-Construction 推進展、第7回 無電柱化推進展、第3回 再資源化・産業廃棄物処理・解体技術展、第1回 地盤改良展
同時開催:第13回 生産システム見える化展、第4回 自動化・省人化ロボット展、第2回 関西猛暑対策展、第2回 関西労働安全衛生展、第1回 騒音・振動対策展
製造・建設業界のメンテナンスに関する展示会「メンテナンス・レジリエンス OSAKA」には、製造、建築、商社、検査やメンテナンスの関係者が集まった。生産性の向上を目指す企業が多く、省エネや省人化、遠隔化、業務の可視化につながる機器やシステムの需要が高まっている。
この展示会は2015~2019年までは東京で開催されていたが、2020年は新型コロナウイルスの影響で東京開催を見送った。代わりに7月に大阪で初開催し、その流れで今年2021年も大阪開催を実施した。2025年には大阪万博が控えており、製造業や建設業も活況。コロナ下でもあり、来場者はほぼ近畿圏の企業で、関西圏に商材を売り込みたい出展者にとって格好の場となっているようだ。
1日あたり100人ほどがブース来場、50~60人と名刺交換
ニコンシステム(東京都品川区)
ソフト・ハードウエア、システムの受託開発、導入、保守、運用管理などを行っており、この展示会に出展するのは2回目だ。2カ月前に発売した、AIと画像処理技術で構造物の点検ができるアプリをアピールした。コンクリート表面のひび割れなどを自動検出しインフラ点検に利用できる。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)を申請中だ。2019年に国交省から、道路の健全性の点検において、技術者による近接目視に代わる点検技術が認められた。高度な点検技術を持つ人材不足が課題となっている。このアプリは人手不足を補い、人間の目視では見逃す可能性もある作業を、高精細な画像診断を利用することで、正確性を担保し、効率的な点検作業と損傷図の作成を行うことができる。
来場者からは技術力の高さが評価され、「鉄も見ることができるのか?」といった質問もあった。ブースには1日あたり100人ほどが立ち寄り、そのうち50~60人と名刺を交換した。高額なためすぐに導入とはつながらないが、アピールを続けていく。
来場者はコロナ下の半分以下
KEYTEC(神戸市)
コンクリート非破壊検査機器、電磁波レーダーなどを製造販売する。この展示会の東京開催にはずっと出展してきたが、大阪に出展するのは今回が初めてだ。コンクリート構造物の表面を手で転がして、内部にある鉄筋や電線管・通信ケーブルなどの埋設箇所を計測することができる。高速道路のトンネルであれば、空洞や水漏れがないか、鉄道橋や電力会社の設備における改修や耐震補強の調査にも利用される。
ブースには既存顧客が新製品を見るために来場したり、「コンクリート内部のもっと狭い場所を見たい」という意見をもらったりした。長く出展し続けているが、新型コロナ前と比べると来場者は半減した。名刺交換したのは1日100人ほどだ。少ない中でもビジネスにつなげるしかない。
デモ機に触れてもらい、手応えを感じる
つくばテクノロジー(茨城県つくば市)
レーザー超音波可視化検査装置や小型X線検査装置などを開発製造、販売するベンチャー企業だ。展示会にはここ5、6年で出展し始め、この展示会に出展するのは初めてだ。非接触レーザー超音波可視化検査装置などを紹介した。新しい非破壊検査技術で、これまで超音波データは波形となって表れるが、それを可視化した。鉄骨や配管、溶接部分などに超音波を当てると波紋ができる。素材の内部に気泡や亀裂などがあれば、超音波が乱れる。ノイズや波形だとプロでなければ見ても分からないが、超音波をスクリーンに映し出すことで、誰が見ても同じように判断できるのが強みだ。ただし、液体では利用できない。ブースには自動車や航空機関連の工場、建設業の関係者らが訪れた。非破壊検査が必要な構造物は多く、検査は設備投資の一部でもある。1日に50人くらいが来場した。
オンラインで製品を案内することもあるが、なかなかうまく伝わらないようだ。今回はデモ機を設置し、実際に触れてもらった。評価も高く、手応えを感じている。これはリアル展示会ならではの利点だろう。
見積依頼や注文も数件あり、好調
ブルアンドベア(京都市)
防音壁やパネルの会社で、この展示会には初めて出展する。空調室外機やブロアなどの工場の騒音対策を担っており、そういった近隣対策技術を生かし、2021年に発売した、B to Cでも使える防音設備を紹介した。アルミ複合版の防音パネルを使用しており、中で発生する楽器などの音や声を、約30デシベル落とす遮音性がある。この防音パーソナルスペースはテレワークやウェブ会議で利用することを目的に、来場者から好評だった。ブースには、建築系企業や商社などが訪れ、3日間で350部のカタログを配布数した。早速、見積依頼や注文も数件あり、好調だ。