オンラインイベントプラットフォーム『Remobiz(リモビズ)』
カヤック(神奈川県鎌倉市)
開催期間:2日間(告知1週間)
出展者:20社(ビデオチャット20)
費用感:150万円(100万円〜対応可能、ボリュームゾーンは200万〜300万円)
カヤック(神奈川県鎌倉市)が提供する『Remobiz(リモビズ)』は、ビジネス目的のオンラインイベントを手軽に開催するためのサービスだ。ライブ配信にはYouTubeLiveやZoomを使い、少人数の商談には自社開発のビデオチャットを使用する。イベント参加者が他の参加者の存在を感じやすいように、参加者の動きを可視化した見せ方にも力を入れる。2020年10月にサービスを開始し、就活やウェディングイベントで採用された。リモビズ事業部の佐藤文彦部長に話を聞いた。
リード件数よりも有効な商談を提供
―今、ビジネス向けのオンラインイベントサービスを提供しようと考えたのは何故ですか
『Remobiz』はリード情報の提供よりも、対話機会の最大化を最優先してつくられています。例えばタレントがセミナーに登壇すれば多くの来場者を集められますが、参加登録者数が増えるだけで、有効な商談を増やすことにはつながりません。BtoBイベントに関するリサーチを通じて、求められているのは有効なコミュニケーションの機会提供だということに至りました。
―他のイベントプラットフォームとの違いはどこにありますか
同じ時間に、イベントに参加している他の参加者のにぎわいを感じられるようになっています。他の人の動きを小さな丸で画面上に表示させるようにしました。リアルタイムで反映されるわけではなく、個人の特定もできませんが、参加者の行動をオンラインに反映したものです。就活イベントでは3000個の小さな丸が画面上に現れ、常時動き続けました。当社らしくイベントのにぎわいを表現できていると思います。
参加者の詳細なリード情報を提供することもできますが、その方向で機能を強化せず、MAツールをはじめとする外部サービスとの連携強化で補うようにしています。顧客データベースや行動履歴の分析機能を強化したイベントシステムが多くありますが、我が社はその部分について不要と考えました。ユーザーインターフェースにおける、3Dバーチャル空間の再現も同様です。
ブログ感覚で制作できるブースページ
ー出展ブース(商品案内ページ)に特徴はありますか
誰でも簡単にブースを運営できるよう、ブログを書く感覚で動画や画像を埋め込みできる設計になっています。また、リアルイベントの会場をイメージして、参加者が、さまざまなブースに目を向けられるようなデザインになっています。
要望に応じて、機能を随時追加しており、2021年2月には、クローズなイベントに対応するため、来場者の入場を制限する「チケットコードログイン制度」や、ユーザー属性や参加理由を知るために、アンケートに回答させてからイベント参加を認める「強制アンケート機能」を追加しました。
就活イベント、ウェディングイベントで採用
ーこれまで採用されてきたイベントではどのように使われてきましたか
新卒者向けの就活イベントでは、1社に対して500〜2000人の学生が参加しました。部署ごとにブースを出す企業もあり、行列ができるところもありました。学生の姿がないブースはありませんでした。
沖縄のブライダル企業が主催したリゾートウエディングのイベントでは、20式場が出展しました。画像の選び方で見せ方に違いが出て、人気があるブースとないブースで集客に差が出たことが、課題として残りました。
農林水産省が主催した「新農業人フェア」という就農イベントでは、当日会場に来た来場者と全国のリモート出展者を、オンライン面談でつなぎました。出展者にはITやPCに不慣れな人も多く、事前勉強会を開催しました。21年6月〜22年3月に8回開催され、最初は恥ずかしそうにしていた出展者も、画面共有を使いプレゼンを行うようになりました。
ーオンラインに不慣れな主催者も多いと思いますが、サポート体制は整えていますか
企画から相談を受け、イベント開催1〜2カ月前から、準備や出展者向けの勉強会などを開催します。イベント当日はトラブル対応に備えるだけですが、事前のサポートを手厚くすれば当日のトラブルは回避できます。会期後はシステム面ではなく、イベントに関する振り返りに力を入れています。
オンラインは、多くの人にとって初めての挑戦です。イベントをイメージすることが難しい人も少なくありません。「リテラシーが低いが大丈夫か」「商談はできるか」などの不安に答えるようにしています。
ーどのようなイベントとの相性が良いと思いますか
第一に、就活イベントです。ウェビナーで会社概要を伝え、ブースに各部署を配置し、先輩社員による座談会、コンテンツの配信、ビデオチャットという使い方は評価を得ています。秋から来春にかけて話が進んでいます。
オンライン物産展も良さそうです。ブースを店舗にして、商品紹介動画や、ライブ配信を行います。販売は外部サイトと接続すれば、問題ありません。なんでも開発しようとせず、外部ツールと連携すればスピード感を持って始められます。
音楽フェスのオンライン会場として使えます。ブースにアーティストが入り、コンテンツを展開します。チケットは、デジタルチケットサービスとの連携で解消できます。
教育関係のニーズもあります。8月の夏休み時期に、教育関係のシンポジウムやセミナーが開催されました。オープンキャンパス開催の相談も増えています。
沖縄リゾートウェディングフェア 2021 オンライン
2021年1月30日(土)・31日(日)
主催:(一社)沖縄リゾートウェディング協会
出展者数:15社31施設
新・農業人フェア オンライン 2021
2021年9月12日(日)~19日(日)
※2021年6月〜2022年3月まで計8回開催予定
主催:新・農業人フェア運営事務局
出展者数:44社