自社オンライン展示会、ウェビナー、メルマガ配信 多様化する新規獲得方法[口コミ]@関西教育ICT展 前編

展示会名:第6回 関西教育ICT展
会期:2021年8月5日(木)・6日(金)
会場:インテックス大阪 2号館
主催:(一社)日本教育情報化振興会、(一財)大阪国際経済振興センター、テレビ大阪、テレビ大阪エクスプロ
出展者数:77社
来場者数:2578人
同時開催:第6回 eラーニング・トレンド・フェア、第2回 幼児教育と保育の情報化展

 教育業界の展示会「関西教育ICT展」では、ハードウェアだけでなく、教師のオンライン授業をサポートするシステムを提供する企業に、多くの人が集まった。文部省が掲げる『GIGAスクール構想』を基に生徒へのパソコン支給は進んだものの、有益な授業を行うことに課題を抱える現場が多いようだ。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でリモート授業が一斉に進み、市場を一気に拡大した商材も多く、問い合わせ対応だけで新規顧客を開拓できている企業も複数あった。


先生が来場 現場の声を知ることができる

ワコム(埼玉県加須市)

▲ワコム(埼玉県加須市)のペンタブレット

 ペンタブレットなどのデジタル文具を製造、販売する。デザインやアート分野のプロ利用にも対応できる繊細な技術を持つが、教育現場ではそこまで高性能でなく、子ども向けに耐久性を持たせている。PCとパッドを利用し、子どもが画面に記入すると、その書き方や計算の記述の筆圧を読み取ることで、どこでつまずいているのかが分かる。先生はその内容を筆圧のデータとともに判断してコメントすることができる。ベネッセ(岡山県岡山市)に導入されており、先生の作業はデジタル化され、子どもには出力紙が届く。デジタルになっても先生の直筆コメントは温かみを伝えられるのが強みだ。アナログとデジタルのいい部分を融合した。大学などでも導入が進んでいる。この展示会は現場の先生が来場するのがよい。商材を初めて知ったという先生もおり、手応えはいい。また、文具メーカーとコラボで作ったデジタルペンが好評だ。鉛筆型のデジタルペンで、先生から評判がよく、現場の声を知ることができてよかった。

 コロナ下の営業活動はオンラインイベントで参加者を募り、進めている。今年3月に出展したオンラインイベントでは20社以上の問い合せがあり、ビジネスマッチングにつながった。既存顧客が通信教育大手のため、業績はコロナ前と変わらない。


プライベートフェアが営業の強み

テクノホライゾン(名古屋市)

 教育ICT機器やAV機器の製造、経営管理ソリューションの開発、販売、導入支援などをしており、この展示会には毎年出展している。今回は小学校向けの電子黒板のほか、英語・プログラミング授業用教材やグラフィックソフトなどを紹介した。小学校の教室をイメージしたブースには、主に教育委員会の人や塾の関係者が訪れ、電子黒板やそれを使用した模擬授業を体感してもらった。小中学校で導入される電子黒板は、いわば大きなPCの入ったタブレット。55インチと86インチの画面の大きさの違いも体感してもらった。『GIGAスクール構想』を推進するには、児童や生徒のPCをどう活用するのか、連携、連動が鍵になる。例えば、電子黒板に表示された電子教科書が手元のPCと連動しているか、生徒が答えを発表する際に自身のPC画面を先生の電子黒板と共有できるか、タブレットの使い方を広げることで教育のDXにつながる。ブース来場者数は教えられないが、今回は来場者が少ない。コロナ下の営業では、プライベートフェアを東京と名古屋で開催しているのが強みだ。


新規営業は自社オンライン展示会と販売代理店の販売先

プロディライト(大阪市)

 システム開発や販売、電話回線サービスの提供を行っており、今回はオールインワンの電子黒板とオンライン授業システムを紹介した。どちらも販売代理店を務めている。電子黒板は巨大なパッドのようなもので、カメラ、マイク、スピーカーが内蔵され、鮮明かつ滑らかな書き心地だ。ホワイトボード機能、プレゼン機能、ウェブ会議機能がそろっており、特に遠隔授業が増えてきた教育現場にぴったりだ。オンライン授業のシステムは、奈良先端科学技術大学院大学などと共同開発したもので、この8月から発売を開始したばかりだ。従来のシステムは一方通行だったが、ライブ授業、動画授業、練習問題を双方向に進められるのが強みだ。先生は授業を配信するだけでなく、児童や生徒全員の手元画面や顔の映像を一覧で見ることができる。また、生徒が他の生徒には分からないように先生にダイレクトチャットなどで質問できる。困っている生徒に対し、先生がすぐに対応できる点が好評だ。どちらも、コロナ下で大学や塾、また企業でも研修用として導入が進んでいる。会場では教育現場、特に多くの先生たちに体感してもうらうことができ、関心を持ってもらえた。

 コロナ下の新規営業は自社のオンライン展示会が中心だ。毎年12月に開催し、サポート企業を中心に、製品・サービスの展示会やセミナーを行う。また、電話通信システムの販売代理店を数多く持ち、その販売先に案内をするので、新規営業はそこまで力を入れずとも進められている。


初日に名刺交換できたのは60人ほど

エスエイティーティー(東京都千代田区)

 ソフトウエアの開発会社で、30年以上教育関連のソフトウエアやコンテンツなどの教材を販売する。今回は、小中高校向け教務支援システムとクラウド型の学習管理システムを紹介した。教務支援システムは、すでに1府10県で一括導入実績、全国の公立・私立高校700校以上で稼働実績がある。公立校に比べて導入が遅れる私立校での検討が始まっており、ブース来場につながったようだ。システムを導入すると、生徒一人一人の出欠席や成績などを一元管理でき、先生の業務の効率化につながる。その労力を生徒と向き合う時間に費やすことが狙いだ。一方、クラウド型のeラーニングシステムでは、教材作成や受講者管理などが画面上ででき、企業や学校でのeラーニングの運用の手間を軽減することができる。

 この展示会には毎年出展しており、2020年までは1日に100人と名刺交換できたが、今回来場者数は6~7割に減り、初日に名刺交換できたのは60人ほどだ。コロナ下で新規顧客との接点を求めてはいるが、展示会はブースの設置にかなり費用もかかるので、今後のことは検討する。

 関西で6月に開催された教育展示会へは、中間テスト期間中につきターゲットである先生が忙しく来場しにくいだろうと考え出展しなかった。7月に参加したオンライン展示会は会期が1週間で1日に20件ほどの問合せがあり、手応えを感じた。自社のHPにも問合せが来るのでオンラインで説明をし、導入につながるケースも多い。eラーニングシステムは、コロナ下で対面の研修を思うようにできない企業からもひっぱりだこで、ありがたいことに、企業側から積極的に問い合せをしてくれる。

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