物流のIT化・効率化を促進するシステムに輸送・製造業が注目[口コミ]@ワイヤレスジャパン 前編
- 2021/8/19
- IT・情報処理, ワイヤレスジャパン, 日本イージェイケイ, 東京ビッグサイト(東京国際展示場)
会期:2021年6月2日(水)~4日(金)
オンライン会期: 6月9日(水)~30日(水)
会場:東京ビッグサイト 青海A
主催:リックテレコム、日本イージェイケイ
出展者数:約100社
来場者数:1万746人
同時開催:ワイヤレス・テクノロジー・パーク、運輸・交通システムEXPO
ワイヤレス通信の技術が集まる展示会「ワイヤレスジャパン」には、5G、システム開発、半導体、モバイルVPNサービス、画像処理などが出展。IT化や効率化に取り組む輸送、配送、建設、電気工事、IT関連会社などが来場した。配送管理システムや車両の温度管理システム、ドライバー向けのオンライン教育、バスのマッチングサービスなどに関心が集まった。ノイズキャンセル機能が付いたワイヤレスイヤホンは、工事現場とウェブ会議の両面から注目された。
ブース来場者数は例年通り
テレニシ(大阪市)
販路拡大のため毎年出展しており、今回は運送会社の点呼システムをアピールした。価格が好評で、現在3000拠点で導入されている。全体の来場者数は例年より少ないが、ブース来場者数は例年と変わらない。
コロナ下ではウェブセミナーを開催した。チラシを配布して告知・集客したため、商品に興味がある人が参加し成約率は展示会出展時より高かった。一方、展示会は商品を知らない人も来場するので成約率は低くなるが見込み客の数は伸ばせる。どちらもそれぞれ良い点がある。
1日に50社ほどがブースを訪れた
東計電算(川崎市)
ソフトウエアやシステム設計開発、コンサルティングをしており、配送管理システムや顔認証と同時に、勤怠と体温管理ができるサービスをアピールした。配送管理システムでは、地図上で集配ルートが予定通りか遅れているかという実績も把握できるため、荷主からいつ届くかという電話での問い合わせ対応が簡略化できる。以前はドライバーに電話でしか確認できなかった。また、ドライバーの手書き日誌を事務員がデータ化しているが、日報が自動作成されることより、事務員の作業効率化につながる点も評価される。このような展示会に来場する運送会社の担当者はIT化に対する意識が高く、関心が集まった。
ブースには運送会社、同業他社、ITベンダー、医療関係者らが、1日50社ほど訪れた。顔認証による勤怠管理は非接触で打刻できるため、医療関係者や従業員の年齢層が高く、デジタル化が進んでいない業界から反応が良い。同業他社とは、それぞれの課題解決策について情報を交換した。
会期中にサービス導入成立もあり
ディ・クリエイト(東京都港区)
運転監査講習を行っており、今回はドライバー向けの指導・教育サービスを紹介した。コロナ以前はドライバーに対面で行っていた、年に1回以上の指導が求められている『指導監督指針の12項目』を動画配信サービスで1カ月に1項目ずつ学べるようにした。利用者からは年に1回だと忘れてしまう内容を定期的に学ぶことで定着する、運転手の事故が減ったなどの声が寄せられている。運送会社の担当者が1日50人ほどブースを訪れた。会期中に初日の来場者から、サービス導入の承認が下りたという報告が入った。
コロナ下では年400回開催していたセミナーが100回にまで減少し、セミナー講師の仕事も減ってしまった。それを動画配信に切り替えたことで講師の仕事も確保できるようになった。
ブース来場者は予想以上の1日30人ほど
ザクティエンジニアリングサービス (大阪市)
画像処理エンジンの開発や業務用カメラを製造しており、業務用ウエアラブルカメラ、重機取付型セーフティカメラシステムを紹介した。ブースには予想以上の1日30人ほど訪れた。現場労働者の安全確保に対する意識は高まっており、重機取付型セーフティカメラの需要が伸びている。業務用ウエアラブルカメラは手振れ補正に優れており、保安、点検、警備会社で導入されている。
昨年はコロナ下で画像処理のオンライン展示会に参加したが、参加者の行動が数字でしか見えないので出展効果は感じられなかった。問い合わせ自体も少なく、あっても逆営業だった。