中食の需要増で新商品のアイデア求める来場者が増加[口コミ]@FABEX(ファベックス) 前編

展示会名:第24回 FABEX(ファベックス)2021
会期:2021年4月21日(水)~23日(金)
会場:東京ビッグサイト 青海A・B
主催:日本食糧新聞社
出展者数:480社
来場者数:26457人
同時開催:第18回 デザート・スイーツ&ベーカリー展、第9回食品&飲料・OEMマッチングEXPO

 中食・外食業界の展示会「FABEX(ファベックス)」には、惣菜・弁当・調理済食品、素材・食品・生鮮、食品機械、店舗機器、トレイ・パック、パッケージ関連が出展。メーカーや卸業者、飲食店、オーナーや商品企画、商品開発の担当者が来場した。新型コロナウイルスの影響で中食の需要が高まり、新商品のアイデアを求める来場者が多かった。健康食品や冷凍食品のほか、環境に配慮したストローやパッケージ、キッチンシステムに関心が集まった。来場者は代表取締役や課長・部長、オーナーなど決裁権を持つ人が多い。例年よりも来場者数は少ないが、確度が高く、商談の内容が濃いと話す出展者が多かった。来場者数減は想定内、出展してよかったなどの声も多数聞かれた。


来場者が少ない分、他の出展者とつながり手応えあった

ミスズライフ(長野県上水内郡)

 ぶなしめじなどを生産販売しており、出展20回目となる本展示会では、冷凍ぶなしめじをアピールした。コロナ下で更に家庭での冷凍食品の需要も伸びている。ブースにはメーカーや卸売の関係者が来場した。特に代表や部長、課長といった決裁権者が多い。来場者は例年よりも少ないが、真剣な人が多い。話の内容も濃く、商談を求めて来場している印象だ。名刺交換は1日約100枚、例年の3分の1ほどだが、このうちの4分の1とは具体的な話につながりそうだ。

 来場者の課題は商品開発のアイデアが不足していることだ。中食需要は高まっているが、商品が思いつかないという。このようなリアルな場がないとヒントは得られない。我々は加工品の共同開発先を探しており、来場者が少ない分、積極的に他の出展者にも声をかけて、協業先候補と多く出会うことができた。ただ来場者を待つのではなく、こちらからもアプローチしなければならない時代だ。しめじはどんなものにも合うので関心度は高い。他の出展者の食材と組み合わせて、キッチンスペースで即興で料理を作って提案したりした。レトルトのノズルに入らないと、サイズや規格で断念する人がいたので、これからは規格に合わせた小さいサイズのしめじを研究開発する。

 コロナ下では、ウェブメディアを使い自社での発信力を高めている。JETROの海外販路を使い、輸出にも力を入れている。フィリピンとはオンラインで商談を行った。国内は展示会は中止になっていたが、顧客にアプローチし、オンラインとリアルの試食とのハイブリッドで営業を行った。無駄に出張に行くことなく商談の質を上げられた。


名刺交換は1日50枚ほど

ホワイトハウス(岐阜県多治見市)

 この展示会に5回目の出展となるオーダーメイドパッケージの制作会社だ。ブースには、小売業やメーカーなどの取締役や部長クラスといった決裁権を持つ人が多く訪れた。名刺交換したのは1日約50枚で、このうちの1~2割とつながりそうだ。

 来場者はシンプルなものよりも、かわいく目立つものに注目している。最も来場者の目を引いたのは、リボンつきのケーキのパッケージで、立ち止まって見ていく人が多い。そのまま贈答用に持ち運べて、デザインや印刷でオリジナル仕様にもできる。来場者の需要は、差別化できるオリジナルパッケージだ。現状では既製品を使っている人が多いようだが、オリジナルでも場合によってはコストを下げることができる。リサイクルペーパーなのかなど、環境に配慮した素材に関する質問も受け、相談に応じている。1月に出展した展示会よりは来場者が多く、閉塞感がある中、人と直接話す機会になっている感じる。

 コロナ下では、飛沫防止パネルを自社で作り、6月から法人向けにネット販売を始めた。旅行会社や市役所などから声がかかった。パッケージに関しては既存顧客へ営業を行った。


1日約30~40枚の名刺交換

原田産業(大阪市)

 総合商社で、この展示会には2回目の出展だ。鶏肉のような食感の冷凍大豆ミートをアピールした。トレンドもあり、2019年の出展時よりも認知度が上がっている。業務用に特化しており、飲食店を対象とした卸業者が多くブースに訪れた。味や食感、そして使いやすさが注目された。名刺交換は1日約30~40枚で、このうちの2割ほどとは具体的な話になりそうだ。

 コロナ下では、新規ターゲットのリストを作成し、テレアポでオンライン営業につなげた。


取引につながりそうな出会いが1日に20~30社ほど

粉由(大阪府藤井寺市)

 製菓の原材料の卸・販売をしており、展示会出展はここだけで2回目だ。今回はプロテインパフや型抜き済みのゼリーを紹介した。自社の営業スタイルに展示会が合うか試していて、メリットがあるなら今後他の展示会への出展も検討する。

 ブースには外食関係者が訪れ、社長や商品企画・開発の担当者といった決裁権を持つ人が比較的多い。来場者は少ないが、足を止める人とは具体的な話になる。来場者数の減少は残念だが、悪くはない。今後の課題はどこまでフォローできるかだが、来場者にとって会場内でべスト3の商材に入らなければ検討してもらえない。来場者の8割ほどは商品開発のヒントを探しに来ている。初めから具体的な課題・商材を探しに来る人は2割だろう。関心が集まったのはプロテイン高配合のパフで、根強い健康志向や大豆ミートの需要高で注目された。来場者の要望は圧倒的に小さいサイズだ。従来は大きいサイズを特定の企業に販売していたが、今回の展示会に合わせて、小さいサイズを用意したことで、サラダやアイス、ヨーグルトのトッピングとして外食産業から注目された。幅広い人と関わることで、新しいアイデアが生まれる。名刺交換は1日約80枚で、1日あたり10~20社とつながりそうだ。

 コロナ下では、昨年前半は営業は自粛していて、後半は今回の展示会に向けての商品構成を考えてながら、営業活動をした。従来の仕入れメーカーや販売会社などに電話でアプローチした。現在も訪問は増えていないが、数字は戻ってきている。


反応がよく、出展してよかった

ショーワグローブ(兵庫県姫路市)

 手袋を製造しており、この展示会への出展は2回目となる。今回展示した中でも、カラー展開豊富な使い切り手袋を見てブースに立ち寄る人が多く、特にピンクは珍しいそうだ。居酒屋チェーンや商社、製パン、菓子、給食などの関係者が来場した。手袋は広く使われているので業種はさまざまだ。商社は直接取引するので話が進みやすい。名刺交換したのは1日100人ほどで、このうち1割ほどと具体的な話になりそうだ。

 来場者の課題は供給だ。新型コロナウイルスの影響で、普段使わない人が積極的に使うようになり、交換頻度も上がったため、需要が突如高まった。徐々に解消しているが、コストも上がったままで、まだ完全には落ち着いていない。

 昨年は供給が限られ調達に忙しく、既存顧客への対応を優先していた。手袋の必要性を知ってもらえ、関心が高まった1年だったので、改めてアピールするために出展した。反応は高く、出展してよかった。

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