会期:2021年2月9日(火)・10日(水)
会場:東京国際フォーラム ホールE1
主催:葛飾区、東京商工会議所葛飾支部
出展者数:45社
葛飾区と周辺地域の製造業が出展する技術展「町工場見本市」には、製造・加工、印刷、広告、鉄道、フィットネス、公務員らが集まった。出展したのは金属加工、印刷業、住宅設計、硝子製作、宝飾品部品製造、研究センターなどだ。
食事中の飛沫拡散を予防する声のマスクやマスクケース、情報漏洩対策としてのシークレットディスプレイ加工など、リモートワークの普及に伴う情報管理、感染防止に役立つ商材が展示され、関心を寄せる来場者も多かった。また、葛飾区の企業が持つ技術を組み合わせた立体花壇が展示され、改良にあたり新たな企業とのマッチングも行われた。
1日に20人が来場
五味彫刻工業所(東京都足立区)
プラスチック金型を製作しており、今回は彫刻加工したジッポや金型などを展示した。1日の来場者数は予想より多い20人ほどだ。最近、ハンドメイドのはやりで手持ちのジッポに加工して欲しいという声が増えている。高単価になっても自分だけのものを持ちたい人が増えているようだ。
今年1月には組合でバーチャル展示会を初開催した。会期は1カ月間だったが、半月経った時点で、来場者は4〜5人しかおらず、開催効果を感じられなかった。「町工場見本市」には毎回出展している。中小企業は工場にいても新規の受注はできないので、展示会が開催されるのはありがたい。大手企業も来場する点も良い。
印刷会社や代理店が来場
三和紙工(東京都葛飾区)
紙皿を製造しており、初出展となる今回は紙皿、紙製トングを紹介した。ブースには印刷会社や代理店の関係者が訪れたが、全体として来場者数が少ない。昨年はイベントが減ったため、オリジナル商品のOEM発注が減った。
1日80人にサンプルを提供
大東印刷工業(東京都墨田区)
印刷業で、昨年1年間はイベント関連の需要が激減した。食事中の会話による飛沫拡散の防止を目的とした『声のマスク』やマスクケースを展示した。マスクケースは顧客の要望で、新型コロナ以前から制作していたものだ。
来場者からは「着眼点がいい」「面白い」と言われた。動物のイラストを採用して外見をかわいくしたことで、年配の人からは「孫にプレゼントしたい」と好評だった。
ブースには鉄道会社や広告代理店が来場した。反応が良く、1日80人にサンプルを提供した。5社とはこれから商談となる。成約の確度も高いと思われる。
情報漏えい防止商材として評価を集めた
プリント・アート(東京都足立区)
グラフィックアートを制作しており、今回は偏光板を活用したシークレットディスプレイ加工を紹介した。パソコン画面の偏光板をはがすことで、専用メガネまたはフィルムを通してのみディスプレイ表示を見ることができるもので、新型コロナ以前から提供していたサービスだ。新型コロナの影響により、テレワークが広く導入されたことで情報漏えい防止の観点から大手企業を中心に需要が高まり、社内パソコン数百台に取り付ける案件も受注している。給与管理や人事査定の資料など、社内使用時でも他人に見られると困る資料を作成する際にも有効と評価された。ブースを訪れた国会議員や自衛隊関係者からも、機密文書を扱う場合に活用できると関心を集めた。