愛知での初開催 コスト削減や効率化につながるシステムに関心集まる[口コミ]@国際物流総合展 前編

展示会名:第14回 国際物流総合展 2021 愛知(Logis-Tech Tokyo 2021 in Aichi)
会期:2021年3月9日(火)~12日(金)
バーチャル会期:2021年3月9日(火)~5月31日(月)
会場:Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
主催:(公社)日本ロジスティクスシステム協会、(一社)日本能率協会、(一社)日本産業機械工業会、(一社)日本産業車両協会、(一社)日本パレット協会、(一社)日本運搬車両機器協会、(一社)日本物流システム機器協会
出展者数・小間数:245社・775小間
来場者数:1万2549人

 物流・ロジスティクス関連の展示会「国際物流総合展 in Aichi」は、これまで東京で隔年開催されていたが、初めて愛知県で行われた。保管機器・仕分け・ピッキング・搬送システム、産業・運搬車両、パレット・コンテナ、物流機器部品、情報機器・ソフトウエア、包装システムなどが出展した。物流や製造の現場担当者が来場し、コスト削減や効率化につながる商材に加えて、労働災害や鳥類被害対策に関心を寄せていた。来場者数は当初予定の3万人の4割強にとどまったが、本気度の高い来場者が多く内容の濃い話ができたという出展者もいた。


現場担当者から経営者まで、幅広く来場

オカムラ(横浜市)

 工作機械を囲む防護柵、部品や完成品を移動させるモバイルカートなど、製造業に寄せた製品を展示した。「国際物流総合展」には毎回参加している。特定の客層や業種に特化した展示会ではなく、来場者がプロであるため、効果的なPRの場として活用している。大手の出展取りやめなどがどう響くか懸念していたが、予想よりも来場者は多いと感じる。ブースを訪れる人の8、9割は愛知県内からだ。情報収集目的ではなく、明確な目的意識を持った人が多く、現場担当者から経営者まで、幅広い層が来場した。

 物流業や倉庫業向けでは、ロボットを活用した保管・ピッキングシステム、自律移動ロボットなどに関心が集まった。巣ごもり需要やEC需要の増大に伴い、多品種少量の個別配達が増えている。そのため、来場者の要望は保管効率をいかに上げるかに集まっており、機器やシステムの省力化、自動化に対する質問や相談が多かった。


中間管理職以上の決裁権者が多い

岐阜プラスチック工業(岐阜県岐阜市)

 主力の樹脂製パレットやコンテナボックスなど約60品目を紹介した。『エコロジーとロジスティクスの融合』をテーマに、パレットのリユース、リサイクル、リデュースへの取り組みも来場者に分かりやすく説明するように努めた。特に、新型コロナウイルス対策として増えるテレワークスペース不足の解消につながる新製品が好評だ。電話ボックスのような簡易型のブースで、実際に高い防音効果を体感することで性能の高さを感じてもらうことができた。

 ブースを訪れたのは、ほぼ東海地区と関西地区からの人で、それ以外の地域は少なかった。大半が製造業や倉庫業の関係者で、中間管理職以上の決裁権者が多かった。日常業務の作業改善とコスト低減に関心があるようだ。


食品メーカーや商社の決裁権者が多い

芝浦機械(東京都千代田区)

 社名を変更してから、初めて「国際物流総合展」へ出展する。『物流の入口から出口まで』をキーワードに開発した、さまざまな生産プロセスに合わせた自動化システムを提案した。2台のターンテーブルを使用してパレットの積み込みと荷下ろし動作を実演。段ボールサイズを自動検知し、開梱作業の効率化を可能にする段ボール開梱装置も紹介した。システムの自動化対応に加え、作業が従来の半分のスペースで済む点や、平面3方向からアクセスできる点などが好評だった。

 ブースには愛知県内を中心に、関西から訪れる人も少なくなかった。業種は食品メーカーや商社などで、中間管理職以上の決裁権を持つ人が多く訪れた。導入を検討する人は、人出不足の解消や、現在のスペースを有効活用したいなど、職場環境の改善への関心が高かった。


幅広い業種が来場

日本鳩対策センター(大阪府東大阪市)

 鳩をはじめとする鳥類の糞害に悩む、自動車製造やアパレル、食品、倉庫など幅広い層がブースを訪れた。物流倉庫の多くは天井が高く、鳥類にとって侵入しやすく、追い払うのが容易でないことが、業種を超えた共通の課題となっている。

 鳥には帰巣本能があり、必ず巣に戻ってくるので、倉庫内に入れないようにするのが有効だ。ネットやワイヤー、スパイクなどの物理的な方法と鳥の嫌うにおいを用いる化学的な方法とがある。近年は電気ショックによる撃退法が注目されている。ソーラーパネルを使うのでランニングコストは安い。それぞれ一長一短があり、来場者の実情に合わせて提案する。

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