昨年禁止したタイの旧正月、政府が実施を発表 @タイ・バンコク【3月20日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】
- 2021/3/25
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企業は長期休暇 教育現場では混乱も
タイ政府は今年の『ソンクラーン』を実施する方向で調整を進めていることを明らかにした。ソンクラーンはタイの旧正月のこと。4月13日が旧暦の元旦にあたり、13~15日はソンクラーン期間として休日になる。例年同時期にはバンコクなど都市へ出稼ぎに来ている地方出身者が一斉に帰省することから、大人数での移動に対する警戒が高まっている。
昨年は3月26日に非常事態宣言が発令したことからソンクラーンは禁止された。毎年ソンクラーンに「水かけ祭り」が実施されるが、感染拡大防止のため史上初の中止となった。また昨年は、同時期に飲酒運転などから交通事故の件数も高まることからアルコール販売も法的に禁止される事態となった。新型コロナウイルスの影響が尾を引く中、今年もソンクラーンの禁止を危惧する声もある中、政府の発表に安堵する人も多い。ただし、水かけ祭りについては今年も中止することが決定している。
一般企業ではソンクラーンに合わせて長期休暇とする企業も多い。12日(月)と16日(金)を休日にし、10日(土)から18日(日)までの9連休とする企業も少なくない。最近では国内での感染者数が微少であることから感染リスクは低いとされているが、大規模移動による再燃を懸念する声もある。
一方で、教育現場では困惑の声も上がっている。タイの学校では通常3月から5月までが真夏になることから夏季休暇となる。しかし、昨年は新型コロナの影響により7月まで休暇となったため授業日数が足りず、ソンクラーン前日まで授業や期末テストを行う学校もある。また、新型コロナによる収入減で授業料が支払えなくなり、退学・転校する生徒も多く、経営難に立たされる学校も増えている。タイ在住の日本人の中には先行きの見えない状況から3月の終業を機に日本に帰国する人も増えているようだ