病院関係者の来場少ない中でバーチャル来場サービスを活用した商談も[口コミ]@HOSPEX Japan 前編
- 2021/1/14
会期:2020年11月11日(水)~13日(金)
会場:東京ビックサイト 西1・2
主催:日本医療福祉設備協会、日本能率協会
出展者数:183社
来場者数:6279人
医療福祉業界の展示会「HOSPEX Japan(ホスペックスジャパン)」には、医療機器メーカーや商社のほか、同時開催の「Japan Home & Building Show」「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO」など建設関連の展示会から流れてきた来場者も訪れた。新型コロナウイルスの影響で病院関係者の来場者は少ない中、医療・介護施設限定のバーチャル来場サービスによる商談も活用されていた。
病院の建築、設備、エンジニアリング、医療機器、看護・介護製品などの企業が出展し、抗ウイルス加工の配膳車や、建物内へのウイルスの持ち込みを防ぐ抗菌マット、抗菌コーティング仕様の紙製マスクケースなど、感染症対策関連の商材が関心を集めた。
例年と変わらないブース来場者数
Fujitaka(京都市)
業務用機器を販売している。来場者層はさまざまで、初日は1日70人ほどが訪れた。もっと少ないと想定していたが、人数としては例年と変わらない。約1年ぶりの出展になる。
建築関係者の関心を集めたのは、検温ゲートシステムだ。システムと連動させて、入退場管理をしたいという。亜塩素酸水を利用して空間を除菌する機器は、病院や介護関係者、ビル管理会社からも注目された。賃貸オフィスの入り口に設置し、ウイルスをカットすることで、ビルに付加価値をつけ、賃料の下げ止めの材料にしたいという。
病院関係者は少ない
フナボリ(東京都江戸川区)
スチール製品を製造している。初出展の今回は大型の換気扇や送風機を展示した。来場したのは商社、メーカー、小売、コンサルで、病院関係者は少ない印象だ。
院内感染防止のために、屋外のテントなどで検査を行っている医療機関がある。大型換気扇を設置してしっかり換気することで、医療従事者を守ることができる。来場者からは「こういうものはなかったよね」という声をもらった。しかし全体的な反応は薄い。
来場者だけでなく出展企業向けにアピール狙い出展
富沢印刷(東京都荒川区)
印刷会社。同業者が少なければ、来場者だけでなく出展企業にもアピールできると考え、初めてこの展示会に出展した。医療機器メーカーや美容関係、病院の部長クラスが、初日は20人、2日目午前中で15人が訪れた。
助成金で導入したオンデマンド機を使って作成した商材を紹介した。すでに30万枚売れている、抗菌コーティング仕様の紙製マスクケースには、美容業界向けの医療機器メーカーや卸業者が関心を示した。偽造防止の処方箋もPRした。コピーすると偽造マークが出るので、睡眠薬など入手しにくい薬などの処方箋の違法コピーを防ぐことができる。病院関係者でも「何に使うのか」と疑問を持っていた。
来場者の1割ほどと商談につながりそう
チヨダエレクトリック(長野県千曲市)
4回目の出展となる医療機器メーカーだ。展示したのは器具除染用の洗浄機で、従来は人が手で行っていたもので、現場の人材不足や負担軽減に対応するほか、感染対策としてもいいという声があった。最近のクリニックはおしゃれになり、デザイン性が求められている。洗浄の進行業況により内部の色が変わる点など、色やデザイン性も評価された。
ブースには1日50人ほどが来場し、そのうち1割ほどとは具体的な話につながりそうだ。目立ったのはクリニックの開業を予定している人で、補助金使って導入できる機器を探しに来ているようだった。部品の売り込みも多かった。
今はオンラインの方が確度は高い
イチネンパーキング(大阪市)
駐車場管理委託業務を行っており、出展は2回目となる。病院では駐車場の運営管理を受託している。機械を取り付けることで、不正駐車の防止ができると同時に、本業の医療以外で少しでも収入を増やしたいという需要がある。初日は10人ほどが来場したが、昨年は3倍ほどだったので、非常に少ない。ほとんどが逆営業で、あまり商談につながりそうにない。病院の事務長や院長クラスがターゲットだが、今年は全くいない。具体的な話につながりそうなのは医療系のコンサルくらいだ。
新型コロナの影響で、病院には営業にも行かれない。DMで反応あったところに行くぐらいで、院内に入れず、外で商談を行っている。今回はハイブリッド開催だが、事前に問い合わせがあった病院とはオンライン商談することになった。今年はオンラインの方が確度は高いと思う。