出展・来場ともに大幅減少も真剣に商材やサービスを探す来場者多数[口コミ]@ジャパン・インターナショナル・シーフードショー 前編

  • 2020/10/27
展示会名:第22回 ジャパン・インターナショナル・シーフードショー 2020
会期:2020年9月30日(水)~10月2日(金)
会場:東京ビッグサイト 南展示棟
主催:(一社)大日本水産会
出展者数:300社
来場者数:1万2000名(見込み)

 日本全国や世界各国からさまざまな水産品や水産加工機械が集まる専門展示会「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」。今回は生産性向上につながる手段を求めて、小売、外食、工場などの水産業界の関係者が来場した。出展者数、来場者数ともに昨年に比べて大幅に減少したが、出展者からは、真剣に商材やサービスを探す来場者が目立ったという声が聞かれた。また今回は6月に予定されながら中止になった「東北復興水産加工品展示商談会 2020」で出展予定だった企業を支援するゾーンも設けられた。東北地方の水産物のPRを通じ、東日本大震災で被災した水産業の販路回復が狙いだ。


生産効率を向上させたい食品関係者が来場

サンクレエ(札幌市中央区)

 10回目の出展となるソフトウェアメーカー。食品卸・製造加工業向けの業務支援システムを主に展示した。今回は規模が小さくなり、来場者も少なくなった。しかしその分、余裕をもって熱心に見ている来場者が多い印象。名刺交換できたのは1日15人ほど。毎年、少ないながらも成果は出ている。

 来場者は食品工場の関係者が多かったが、その課題としては生産性の効率を上げたいというものが最も多い。食品関連の工場では、生産管理や在庫管理を手書きでやっているところが多く、小規模なところだけかと思われがちだが、大手でも少なくない。要するにシステム化できていないのだ。


1日で70~100人と名刺交換

日建リース工業(東京都千代田区)

 各種資材のリースを行っており、出展は4回目。来場者は少ないながらも、積極的な姿勢で来ている印象がある。今回は移動用のいけすと店舗向けの水槽を展示した。テーマは『鮮魚から活魚』。生きたままの魚を販売することで漁師の所得向上につなげるのが狙いだ。

 来場者は外食関連、物流関連、スーパー、その他小売業の関係者らと幅広い。水槽のディスプレイは、スーパーの担当者が興味を示した。水槽を店舗に置くことで集客につなげるのが狙いだ。これは出展して初めて分かったことだ。これらの市場は今のところは浅草など外国人観光客が多いところがメインだが、今後はもっと増えそうだ。1日で70~100人と名刺交換ができ、出展してよかったと思っている。この場で商談はせず、のちの営業活動につなげたい。


真剣に商品やサービスを探す来場者多い

丸善(岡山県笠岡市)

 プラスチックトレー製造メーカー。来場者は食品メーカー、スーパー関係者が中心。今回はハート型の寿司が作れる『ハート寿司』をメインに展示した。今、プラスチックトレーの市場は冷凍食品が最も売り上げが多い。これに関しては需要が伸びており、展示会に出展せずとも引き合いはあるので、それ以外のものを展示した。飲食店の関係者に来場してほしいと思ったが、手応えはいまひとつだ。

 新型コロナの影響で来場者は少ないと思っていたが、意外にも多いというのが率直な感想だ。前回出展時に比べて、ブースに来てくれたのは3分の1ほどだ。それでも真剣に商品やサービスを探している人が多く、手応えは悪くない。


来場者は主に卸売業の関係者

オカベ(愛知県伊予市)

 10回以上出展している食品メーカー。我が社で今、売れ筋でメインに据えているのは無添加の商材だ。中でもアーモンド小魚が中心だ。体や健康にいいとうたえそうな商材は、興味を持ってもらいやすい。来場者は卸売業の関係者が中心で、スーパーや小売店などの関係者は減った印象だ。

 名刺交換は2日で100人ほどで、これは例年の半分ほどだ。今回は来場者こそ少ないが、来場者の本気度の高さを感じる。新型コロナの中で来場するということは、やはり真剣な人が多いと感じる。そういう来場者との出会いを通じて、しっかり取引につなげたい。それに尽きる。


初出展で手ごたえ感じた

全国いか加工協同組合(東京都文京区)

 全国いか加工協同組合は昭和40年に組織された。展示会への出展は初めて。今、イカが不漁だ。5年で3分の1以下になっている。そこでイカを主体とした食品加工メーカーはイカに付加価値を付けた新商品を生み出し、販路を拡大する必要がある。組合として、販路支援の意味で初めて展示会に出展した。来場者には、どんな商材があるかというのをしっかり見てもらうことができた。イカのスナックやおつまみなどが中心だ。今回はビジネスベースの商談がかなりできたと思っている。初出展の手応えを感じた。来年に向けて出展内容をブラッシュアップしたい。


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