会期:2019年11月27日(水)~29日(金)
会場:幕張メッセ 国際展示場5~8
主催者:フジサンケイ ビジネスアイ
出展者数・小間数:605社・1277小間
出展者層:交通・鉄道システム、土木・インフラ技術・施設、電力・輸送・運行管理、車両、インテリア、旅客サービス
来場者層:鉄道事業会社、鉄道車両メーカー、建設、商社
同時開催:橋梁・トンネル技術展
鉄道関連技術の展示会「鉄道技術展」では、人手不足を背景に、保守管理が不要の商材や省人化の技術が注目を集めた。軽量で劣化しにくい素材を使った製品や、高性能カメラ・センサーを用いた常時監視システムなど、作業員の負担を軽減する技術が求められていた。
標識メーカーの保安サプライ(東京都中央区)には、汚れにくく耐候性の高い標識を求めて、JRや私鉄各社が集まった。屋外の標識は鉄製が多かったが、近年は軽くてさびにくいアルミ板の人気が高い。
京三製作所(横浜市)では、線路の分岐を固定する装置を遠隔で確認する展示に関心を示す人が多かった。現在は目視で確認しているが、センシング技術や映像技術の進歩により、省人化できるまでに精度が上がった。
三工社(東京都渋谷区)では、点滅部分を球体にした警報機が関心を集めた。従来の平面型の警報機に比べて見やすく、設置数を大幅に減らすことができる。作業員の点検の手間を軽減するため、信号機や警報機をIoT機器で常時監視するシステムも開発中だ。「鉄道は全て高架化する動きがある。警報機や遮断機、信号機は必要なくなり、メンテナンスそのものがなくなるかもしれない」(田中正義さん)
保線検査機器製造の東京計器レールテクノ(東京都大田区)では、レール内部の傷を超音波で探りながら走行するレール探傷車が注目されていた。磨耗状態も確認できるという。「鉄道事業者は安全性を担保しながら、省人化や省施工を進めたい。JRは夜間作業を廃止し、営業車両に装置をつけて昼間に保線チェックをしたいようだ」(松沢茂美社長)
訪日外国人の増加を受けて、他言語対応の機器も求められている。高見沢サイバネティックス(東京都中野区)では、インバウンド対応の大型券売機が注目された。「多言語化は必須。一方、路線が単純な地方では、昔ながらのシンプルな券売機の需要もある。券売機は多機能なものとシンプルなものの二極化が進んでいる」(下里雄二取締役)