循環・再生しやすい素材 注目集める @エコプロ

展示会名:第21回 エコプロ 2019
会期:2019年12月5日(木)~7日(土)
会場:東京ビッグサイト 西1~4
主催者:(一社)産業環境管理協会 他
出展者数・小間数:515社・団体・1102小間
出展者層:環境への意識が高い一般企業・自治体・各種団体
来場者層:製造業、情報・通信・IT、住宅・建設・不動産、流通・商社・飲食・サービス、運輸・物流、一般人、学生
同時開催:社会インフラテック、気候変動・災害対策Biz

 環境に配慮した製品やサービスの展示会「エコプロ」には、企業で環境対策にあたる担当者や、小・中学生をはじめとする一般層が来場し、廃棄物を循環・再生させやすい環境負荷の少ない商材に注目が集まった。海外主導で進む脱プラスチックだが、日本でも意識を高める企業が増え、海中で分解される天然由来の素材や紙製品を探す人が増えた。だが、従来品に比べると依然としてコストがかかるため、本格的な導入には至っていないのが現状のようだ。

 紙製品加工のトライフ(静岡県島田市)のブースには、包装資材として紙に再注目する企業の担当者が集まった。生鮮品など水分を多く含む商材の包装はこれまでプラスチックの独壇場だったが、紙容器に変えることを検討する企業が増えているという。「情報媒体としての紙は存在感を失ったが、包装資材として可能性が広がった。新しい時代に突入した感がある」(湯沢亮多さん)

 アパレルや繊維関連の取引先企業を招待した大和紡績グループのダイワボウノイ(大阪市)は、SDGsに対するグループの取り組みをPRした。注目を集めたのは、デニムの裁断くずを綿に加工し、糸にする技術だ。再生産された糸は縫製に使われる。「人口減に比例して売り上げを落としている繊維業界は、SDGsに沿った素材で減少を食い止めようと必死だ」(河村晃治さん)

 会場では建築、土木資材に関する出展も相次いだ。瓦のリサイクルをPRしたエコシステム(石川県能美市)には、建設や建築資材メーカーに加え、自治体や行政関係者も集まった。細かく粉砕しガーデニング用のチップや、舗装材として再利用するものだ。瓦の市場も減少傾向にありピーク時に比べると4分の1に減ったが、今期は台風被害が相次いだため、リサイクルに対する反響が大きかった。

 再生可能な植物由来の新素材で、材質強化の効果もあるセルロースナノファイバーも関心を集めた。吉川国工業所(奈良県葛城市)は、同素材を使用したプラスチック製品の開発に成功し、そのPRのために出展した。「コストが求められる国内市場では苦戦している。しかしながら、欧米では受けがいいので、海外市場にも力を入れたい」(織田邦広さん)

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