ホテルの省人化対策 ベットや洗浄剤にも現れる @九州 観光・ホテル・外食産業展
- 2019/7/25
- HCJ(ホテレス、国際ホテル・レストラン・ショー), マリンメッセ福岡, 日本能率協会, 観光・宿泊, 食品・飲料
会期:2019年6月26日(水)・27日(木)
会場:マリンメッセ福岡
主催:(一社)日本能率協会
出展者数:193社
来場者数:6641人
同時開催展:九州アグロ・イノベーション、九州猛暑対策展、九州ホーム&ビルディングショー
九州で初開催となった「九州 観光・ホテル・外食産業展」では、九州のインバウンド需要の急激な増加に伴い、外国人観光客に対応した商品やサービスが並んだ。九州では観光産業の市場規模が3割増の勢いで伸びており、ホテルの着工数も増えている。一方で、人手不足が深刻で、無人化、効率化できる商品やサービスが注目を集めた。

ベッドメーカーのシモンズ(東京都港区)では、ベッドメイクの作業を軽減する製品に、来場者の関心が集まった。
「ベッドメイクにかかる時間を気にしている。作業の負荷が少ない軽量のものが求められている」(廣石清巳部長)
業務用絨毯(じゅうたん)洗浄剤を出展したプロシオンジャパン(群馬県前橋市)には、大手ホテルの代表や総支配人が訪れた。観光客の増加とともに、室内の絨毯の汚れが課題になっているからだ。激しい汚れが見つかっても清掃会社に即日対応を求めることが難しく、社内で対応する必要があるという。
「絨毯を傷つけず、宿泊客にも清掃スタッフにも安全な洗剤を探していた」(倉田恵美子社長)
新しくホテルを開業する事業者も多かった。民泊運用代行サービスのエアホスト(川崎市)は、運用を無人化するクラウドシステムを展示したところ、1日あたり200件ほどの相談があった。来場者の8割がホテル関係者で、小規模ホテルに対応するシステムを求められた。
「地方では、インバウンド景気がいつまで続くかわからない不安があり、大きな投資は難しいのかもしれない」(伊澤健一CFO)
スマートフォンを使った多言語翻訳サービスを提供するkotozna(東京都港区)は、QRコードで、旅行者と現地の人との会話が可能になるチャットサービスを出展。ホテルや観光業界の来場者を期待していたが、同時開催展に来場した農業関係者や土木関係者からの相談が多かった。
「ミャンマーから来日した技能実習生との意思疎通に困っていた」(白木佐季さん)
東京会場に毎年参加するという福岡のホテル運用会社の男性は、「大規模ホテルは、対面接客という法律の縛りがある。だが、ホテルの実務において、本業以外の作業が増えている。サービスの品質を落とさず効率化できるサービスを探しにきた」と話した。