リスティング広告を用い、サービス開始1年で300社と契約【リード獲得100本連載】バヅクリ(東京都港区)

企業向けのオンライン人材研修サービス『バヅクリ』
バヅクリ(東京都港区)

▲オンライン人材研修サービス『バヅクリ』を利用して社員同士がつながる様子

 バヅクリ(東京都港区)は、以前主力としていたおでかけメディアが新型コロナウイルスの影響で売上が95%減少し、企業向けのオンライン人材研修サービス『バヅクリ』を開始した。2020年8月のサービス開始から1年で300社が導入、延べ1万5000人が参加する人気サービスとなった『バヅクリ』は、いかにして新規顧客を開拓しているのか、佐藤太一社長に話を聞いた。

▲バヅクリ(東京都渋谷区)の佐藤太一社長

―『バヅクリ』はどのようなサービスなのでしょうか

 オンラインで企業向けの人材研修・人間関係構築を支援するイベントを提供するサービスです。社員・組織のつながりを育てて、本音で関われる人間関係を構築することをテーマとしており、製造業や医療、銀行、保険、IT企業などの中堅~大手企業300社に導入してもらっています。問い合わせは約1500社にのぼり、そのうち9割が上場企業です。新型コロナの影響でテレワークが急増する中で、オンラインで人間関係を構築する基盤として採用されています。

―新規顧客はどのようにして獲得していますか

 リスティング広告がメインです。ターゲットは企業の人事部門で、『オンライン社内イベント』などのキーワードで上位検索されるように運用しています。関連する細かなキーワードや長めのワードもしっかりと拾いながら、さまざまなワードから流入しやすいように工夫しています。

 また、合同体験会やウェビナーも週に1度開催しており、獲得したリストに対しては定期的に案内を配信しています。その後HPへ流入した人に対しては、どんなプログラムを提供できるかをしっかりと伝えるようにHPを構成しています。

 以前まで主力だったおでかけメディアの運用でウェブマーケティングの手法を培うことができたので、それをB to Bに転用することでうまく集客できたと思います。スタートアップなのでそれほど広告費はかけていませんが、多くの問い合わせをいただいています。

―おでかけメディアで得られた顧客を生かすこともできましたか

 おでかけメディアは観光プロモーションのためのメディアなので、企画マーケティングや広告・宣伝部門がターゲットでした。『バヅクリ』は人事向けサービスなのでアプローチ方法がまったく異なります。ウェブマーケティングのノウハウは生かすことができましたが、顧客開拓という意味ではゼロからのスタートでした。

―問い合わせに対してはどのようなアプローチをしていますか

 問い合わせに対してはインサイドセールスがアポイントを取り、フィールドセールス担当が提案してクロージングにつなげます。その後はビジュアル担当とカスタマーサクセスがサポートをしていきます。部門全体で20人強程度の人員体制ですが、成約率は順調に上がっています。

―成約率が高い秘訣は何でしょう

 コンテンツに力を入れているからだと思っています。オンラインイベントや研修代行は他にもたくさんありますが、撮影機材やスタッフを提供してくれるだけで、肝心のコンテンツは提供してくれません。人材研修や人間関係の構築に必要なのは、そうした場を共有するルールや参加者が他の人の意見を否定せず耳を傾ける空間であり、そのためには目的に応じたコンテンツが必要だと思っています。

―具体的にはどのようなコンテンツがあるのでしょうか

 人気のプログラムとして「焚き火」というものがあります。オンラインで焚き火を囲みながら、参加者が考えていることや不安をお互いに語っていくというプログラムです。また、「お絵描き」というプログラムでは、参加者がそれぞれ抽象的な絵を描いて、それを元に自分が考えていることを語るというプログラムです。いずれも90分1セットで参加上限は50人、6セット120万円で提供しています。テレワークの多い時代だからこそ、こうしたコミュニケーションを生む場を定期的に作っていくことが重要で、継続して複数回行うことが大切だと思っています。

 研修イベントの参加者のうち半数は内定者なのですが、こうしたコンテンツが求められる背景には、研修以外の場でも内定者同士の関係性の構築に力を入れたいというニーズがあるのです。かつてはリアルな飲み会を実施すればいいと思われていましたが、最近の人はそのような場を避ける人も多く、機会損失につながってしまう可能性があります。新卒1人の採用に100万円近いコストがかかる時代なのでそうした形で機会を失うことは非常にもったいなく、オンラインで手軽に参加できる人間関係構築の場が求められるのです。

―他社が提供できないコンテンツを提供できるのはなぜですか

 我が社にはメディアと遊びをかけ合わせた『遊部』というコミュニティがあり、さまざまなジャンルのプロフェッショナルと提携しています。お絵描きや演劇、釣り、バーベキューなどの他、お坊さんによる瞑(めい)想などもあります。その中に企業研修やワークショップの講師経験者といった、研修を提供できる人材がいることに気付いたのです。彼らのコンテンツ力をB to Bに生かすことができたので、我が社独自のコンテンツ力を作り上げることができました。

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