認知拡大にオンラインイベントを利用 ウェビナー参加者へのDMが有効【リード獲得100本連載】かんざし(東京都千代田区)
- 2021/10/19
- DX(デジタルトランスフォーメーション), オンライン営業, オンライン展示会
クラウド商談ツール『どこでもSHOWBY(ショーバイ)』
かんざし(東京都千代田区)
1対1のコミュニケーションに特化したオンライン商談システム『どこでもSHOWBY(ショーバイ)』を提供するかんざし(東京都千代田区)は、ZoomやGoogle Meetなど巨大な類似サービスとの違いを伝えるため、プロモーションでは、リード獲得よりも認知拡大に力を入れる。オンライン展示会では、業務提携の見込み企業など想定を超える成果を得た。田中將寛取締役にマーケティング戦略を聞いた。
―『どこでもSHOWBY』について、教えてください
1対1の商談に特化したオンライン商談ツールです。我が社の営業におけるDXの失敗経験と、新型コロナの影響下での生活・ビジネス様式の変化が開発のきっかけとなりました。当初、外部のオンライン商談ツールを導入しましたが、操作性などから定着に失敗しました。そこで、自社を最大顧客とする商談特化ツールを開発し、我が社のようにDX化に苦戦する企業に提供したいと考えました。現在250アカウントが登録されています。
―プロモーションでは何を意識していますか
リード獲得よりも認知の拡大に力を入れています。バナー広告、アフェリエイト、比較サイト、キュレーションサイトを使い、ウェブでの露出機会を増やしています。効果を感じるのはITツール比較サイトやキュレーションサイトです。企業がツールの導入検討をする際に、まとめサイトに掲載されていれば比較検討材料に入れてもらえます。
メッセージ返答率は1割ながら、400件のリード獲得
―オンラインイベント出展の成果はどうですか
リリース後、初のオンラインイベントとして、Sansan主催の「BIS 2021(ビジネスIT & SaaS EXPO)」に出展しました。リード数は、ピッチイベント、ブース来場者、チャットを合計して重複もありますが400件でした。来場者を事前アンケートに基づきニーズ毎にタグ付けしていたのは、出展企業として、アプローチしやすく感じました。
我が社が参加者に送ったメッセージへの返信率は1割程度でした。個別の質問メッセージをもらったり、商談を超えた業務提携の話に進んだり、単純なリード数や商談数にとどまらない濃い成果を感じました。
―イベント当日はどのような運営体制で臨みましたか
プロジェクトチームの3〜4人を会期中の対応メンバーとしました。登壇セミナーの案内を、感度が高そうな来場者にメッセージ機能で送りました。メッセージを受信すると、プラットフォームでの通知に加え、メールでも通知されたので、パソコンの前に張り付く必要がなく、他業務と並行して運営できました。ピッチイベントに参加し、有名な他社のサービスと並び登壇できたこともプロモーションとして価値を感じました。
当面は普及を優先 収益化はその後
―長期戦で構える理由はどこにありますか
オンライン商談ツールはレッドオーシャン市場です。我が社は後発にあたるので、競合サービスと競うのではなく、1対1の商談に特化し独自色を打ち出しています。ウェブ会議の分野ではZoom、Google Meetなどが広く使われていますが、シーンによって1つの企業でもツールを使い分けていくようになると考えています。
9割の利用者が無料版ユーザーでも、今は普及させることを優先しています。イメージはビジネスマンにとってのLINEです。立場を確立するための期間として2〜3年は必要だと考えており、その間に機能や売り方をブラッシュアップします。
―事業部はどのような体制ですか
営業、経営管理、マーケティング、クリエイティブ、開発など、部門横断的に組成したチームで動いています。2021年春にリリースしたばかりなので、問い合わせには、チーム全体で対応しています。
―類似ツールと比べた優位性は何ですか
第1に、価格です。個人向けは無料、機能が充実した有料版は税込で1ユーザー月額1980円、柔軟性の高いルーム単位タイプは100ユーザーでも月額5500円で利用できます。機能面では、分かりやすい接続方式やカスタマイズ性が売りです。機能は取捨選択できるので、本当に必要なものだけを実装できます。
我が社には宿泊業界向けの業務効率化ツール、かんざしシリーズという基幹事業があります。ここで培ったSaaSサービスの開発・運営ノウハウや経験が、中長期的な視点を持てる理由であり、我が社の強みです。
―今後の課題は何ですか
まだ認知を高めることが必要です。今後はウェブだけではなく、オフライン広告も積極的に行いたい。協業してお互いのビジネスを伸ばす「業務提携」も増やしたいです。