製造業界の展示会「関西ものづくりワールド」には、機器や設備、部品のメーカー、商社が集まった。直近の展示会と比べて、多くの企業が来場者が増えたと回答した。新規顧客の開拓は、オンライン商談やセミナー、メルマガ、オンライン広告へ出稿、動画など自社サイトのコンテンツ拡充から、集客につなげる企業が多かった。コロナ下でテレワークを進め、全ての業務をリモートに対応した企業もあった。

　紙や電子データを読み取って分類する自動化ツールを展示したウイングアーク1st（東京都港区）には、IoT技術を活用したい製造業の関係者らが約5000人集まった。コロナ下の新規顧客の開拓にオンライン商談や毎日開催するセミナーを用い、セミナーには毎回10～20人が参加する。コロナ下で全ての業務をテレワークに移行し、オンライン環境を整えたことが、今後の営業活動の強みになると話した。

　プログラミングの自動化ソフトを展示したアルム（石川県金沢市）には、商社や加工管理の担当者が訪れた。会場ではデモンストレーションを熱心に見る人が多く、2000部のパンフレットを配布した。コロナ下の営業活動は、販売代理店が既存顧客に電話やメールでアプローチをしている。オンライン会議では、どのように自動化するかを画面上で共有できるため、説明しやすいと感じているようだ。

　高機能の樹脂を使用したシールパッキンを展示したシールテック（横浜市）には、メンテナンスや機械の性能を向上させたい機器メーカーが来場した。展示会は東京と大阪展に毎年出展しており、今年は小間数を拡大して集客数の増加を目指した。コロナ下では電話やメール、オンライン商談に加えて、工業の専門サイトに広告出稿したり、自社サイトを充実させたりして、新規顧客を開拓している。

　精密金属プレス金型、部品を製造する東莞協揮精密五金（香港）には、部品や設備メーカーの設計担当者が訪れた。展示会には毎年出展するが、今年はベンチャーや大手メーカーの部品を手がける企業が多く訪れた。ブースでは、香港にいる担当者とオンライン商談を設けた。しかし、画面上では来場者が持ってきた図面が見えづらく、対面の方が商談を進めやすいと話した。