ワクチン証明書の確認を強化し、オミクロン株の市中感染を予防へ @マレーシア・クアラルンプール【1月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲学校が休みに入り夜の人出が増えたクアラルンプール中心部

 マレーシア政府は12月31日、新型コロナウイルスのワクチン接種について、成人の97.6%、12〜17歳の87.2%が完了したと発表した。国内では18歳以下の接種を進めており、サラワク州は2月から、他州に先駆けて3〜11歳にも接種を開始することが決まった。ワクチンの接種率が上がり、12月後半の1日あたりの新規感染者数は3200人前後と、ピーク時の15%ほどに減少した。

 オミクロン株の市中感染が、1月下旬までに増加することを想定し、政府は繁華街や商業施設において、ワクチン証明書の確認を強化した。クリスマスや新年、祝日などのイベントが続いたことや学校の冬期休暇で、外出や集会の機会が増えたことが影響している。コロナ防疫の運用手段が遵守されているかを、抜き打ちで巡回する警察官の姿も増えた。

▲保健省と『ウムラ』などの検討をする観光芸術文化省、行政新首都プトラジャヤにある

 政府はイスラム教徒に対して、サウジアラビアにあるメッカへ巡礼する『ウムラ』に伴う旅行を、1月8日から一時的に停止するよう勧告した。ウムラは特別な儀式のない時期に行われる巡礼のことで、近年は中間所得層以上のイスラム教徒に人気だ。ツーリズム経済の観点から、今後の成長が期待されているが、現時点ではオミクロン株を蔓延(まんえん)させる可能性あるとして、政府は一時的に旅行を見合わせるように求めた。旅行を取り仕切る観光芸術文化省(MOTAC)などは、旅程の変更や返金といった対応を検討しているという。サウジアラビアは2020年10月から、段階的に他国からの巡礼者の受け入れを再開していた。

大洪水で数万人が避難、日系企業も一時操業を見合わせ

 マレーシア半島の中央部では、12月17日から18日にかけて豪雨に見舞われ、各地で洪水が発生した。死者は45人以上、避難者は数万人におよび、日系企業の一部工場では操業を停止する事態となった。通信会社の中継基地や電気会社の変電所も浸水したため、インターネット回線の不通や停電など、クアラルンプール首都圏にもさまざまな影響が出た。

 混雑した避難所で、新型コロナの陽性者が出たことで、政府はクラスターの発生を予防するために奔走した。洪水被害を受けた世帯に、1000リンギット(約2万7000円)の給付金を配布することが決定した。

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