首都圏交通の「乗り放題パス」で経済再生なるか @マレーシア・クアラルンプール【12月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲クアラルンプールの公共交通網、ラピドKLは土日祝のみ利用できるフリーパスを販売開始

 マレーシア保健相は2日、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者が、国内で確認されたと発表した。現時点では、南アフリカからの留学生と、クアラルンプール国際空港を利用した渡航者の2人だ。しかし、過去の検体をゲノム解析したところ、11月中旬の時点でオミクロン株に感染していた疑いがある症例が見つかった。

 オミクロン株の感染拡大により、人気リゾートのランカウイ島は、日本を含む24の国や地域からの渡航を禁止することが決まった。過去14日以内に、ハイリスクとされる国に渡航した人も対象となる。新型コロナで打撃を受けた観光業を再生させるため、9月から試験的に、外国人観光客の受け入れを始めていた。

 国内では18歳以上を対象に、新型コロナワクチンのブースター接種が始まった。ワクチンのメーカーにより異なる規定回数を完了してから、6カ月以上が経過していることが条件となる。ただし、過去にシノバック製を接種している場合は、3カ月後にファイザー製を選択することが推奨されている。ブースター接種は当初、40歳以上が対象だったが、1日あたりの新規感染者数が5500人前後と、再び増加しているため対象を広げた。

家族の外出をサポートする「乗り放題パス」が誕生

▲12月最初の土曜日はクリスマス前ということもあり、人でごった返す商業施設

 クアラルンプール首都圏では1日から、交通機関で利用できる「乗り放題家族パス」の運用を始めた。土日祝日限定で、家族4人が1日15リンギット(約400円)で、首都圏の交通機関である、ラピドKL内の路線が乗り放題となるもの。1人あたり約100円で、最長51キロメートルの移動ができる。各路線にある商業施設を訪れることで、消費活動を促す狙いだ。また、商業施設の駐車場を利用するよりもお得なため、首相は経済の活性化が期待できると話した。

 財務相は来年3月から、主要路線の8駅20カ所で、構内に小売店や飲食店が出店できる場所を設けることを発表した。賃料は3カ月無料で、さまざまな優遇措置が検討されている。なお、出店者は抽選で選ばれるという。

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