感染拡大が止まらず、短期的なロックダウンも視野に @イギリス・ロンドン【9月8日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

 イギリス政府は10月から、1カ月ほど短期的にロックダウンを行う「サーキット・ブレーカー」を検討している。新型コロナウイルスの感染者数が減らないため、経済への影響を最小限におさえながら、感染拡大を予防することを目指す。必要不可欠以外の業種は営業を停止し、飲食店やパーソナルケア、ジムは閉鎖される。教育機関はオンラインで授業を提供し、会社員はテレワークが推奨される。屋内の集まりは人数が規制される。1日あたりの新規感染者は、現在3万7000人だが、10万人に達した場合に発令される見込みだ。

 コロナワクチンを接種したものの、効果が低下するタイミングで感染が拡大しているため、3回目の追加接種を行う動きが広がる。高齢者や基礎疾患のある人に加えて、NHS(国民保健サービス)の職員に対しても、9月から接種を始める方針だ。ファイザー製の予防率は、2回目の接種から1カ月後は88%、5~6カ月後は74%だ。アストラゼネカ製は、1カ月後は77%、4~5カ月後は69%となる。

 国内では、コロナ下でキャッシュレス決済の普及が進んだ。飲食店を中心に、現金を受け取らない店舗もある。カードをかざすだけで決済できるシステムは、非接触で買い物ができるため利用者が増加し、利用限度額が引き上げられた。1回あたりの買い物で、2007年は10ポンド(約1500円)、2012年は20ポンド(約3000円)、2015年は30ポンド(約4500円)、コロナ下で45ポンド(約6800円)に上昇した。10月15日からは100ポンド(約1万5000円)が上限になる見込みだ。一方で、本人確認が不要で利用できるため、カード紛失時のトラブルなどを懸念する声も出ている。

 新学期が9月から始まり、多くの学校では学年ごとに始業と終業の時間を変えて、密にならない工夫をしている。小学校では教室まで送迎が必要だが、感染症対策のため校門までの入場に制限されている。保護者のマスク着用率は、夏休み前まで90%であったのに対して、現在は20%程度に低下した。

 中学校や高校では新学期の初日に、各学校でPCR検査が実施された。政府は学校での感染を予防するため、12歳以上にワクチン接種の対象を拡大することを検討している。現在、ワクチンを接種できる年齢は16歳以上で、約8割が2回接種を完了している。

 旅行先の国や地域をリスク別に分け、帰国後の対応を3段階に分類した『Traffic Light system(信号機システム)』では、カナダ、デンマーク、フィンランド、スイスなどが、自己隔離が不要の緑色に移行した。一方で、イギリス国籍を保持している人が多いカナダなどの国では、旅行者の入国を制限している場合がある。気軽に旅行を楽しめるようになるには、もう少し時間がかかりそうだ。

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