首都圏では完全封鎖、地方では規制緩和と二極化 @マレーシア・クアラルンプール【7月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/7/7
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全国で実施されている完全ロックダウン(FMCO)が、無期限で延長された。ICUの収容能力が限界であることが主な理由だ。1日あたりの感染者数が4000人を下回り、ワクチンの接種率が10%以上になるまでは規制を緩和しない。
クアラルンプールやセランゴール州の一部では、短期間で新規感染者が急増したため、完全ロックダウンより厳しい完全封鎖(EMCO)が発令された。同地域で行ったPCR検査では、646人中78人が陽性だった。日本企業が集まり、日本人が多く住むセランゴール州ペタリン地区では、工場でクラスターが発生する事例が後を立たない。職場でワクチンを接種できるよう検討されている。
完全封鎖の地域では外出が禁止され、生活必需品の買い出しは1世帯1人のみ可能だ。国軍や民間防衛隊、警察が統制し、近隣の道路は全て封鎖される。一方、マレー半島の最大州であるパハン州をはじめとする5州では、完全ロックダウンから規制が緩和された。スーパーや薬局といった必要不可欠の業種、書籍、文具、電化製品、理美容店の営業が再開した。
全国の商業施設などの店舗では、入店時にアプリでQRコードを読み取る必要がある。感染者が出た施設ではさらに厳格化され、アプリ内で過去1週間の健康状態や陰性であることを申告して、画面を提示して入店する。事前に対応していない人が多いため、入口に長い列ができたり、入店を諦め帰宅したりする人もいる。住民からは、複雑な手続きを増やすだけで、感染予防に効果がないという声がある。
マレーシア企業委員会(SSM)によると、新型コロナウイルスの拡大以来、3万社が閉鎖されたことが分かった。