経済回復を軸とした国家予算を発表 @マレーシア・クアラルンプール【11月21日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲商業施設は例年より2週間以上早めにディスプレイを準備しクリスマス商戦に備える

 マレーシア政府は、経済回復を軸とした2022年の国家予算を発表した。経済回復は、貿易相手国に依存する面が大きいとして、国内では観光や飲食業を起点に2022年以降になると予測した。2020年と比べて、財政赤字は6.5%から6%に縮小された。

 自動車の売上サービス税(SST)は、2022年1〜6月まではノックダウン生産は100%、ビルドアップ生産は50%が免除される。住宅信用保証制度では、フリーランスや個人事業主、零細企業、農業従事者に対する住宅購入の資金調達を支援するため、銀行に最大20億リンギット(約547億円)の保証を提供する。

 子どもが3人以上いる月収2500リンギット(約6万8000円)以下の世帯には、2000リンギット(約5万4500円)を支給することが決まった。一方で、60歳以上の高齢者には、毎月300リンギット(約8200円)を支給する。マレーシア国内の平均年齢は29.2歳と若く、60歳以上は350万人と人口の10.7%だ。

 国内では、新型コロナウイルスのワクチン接種率が成人の95%を超えたことで、経済活動が活性化している。クリスマス商戦は、例年と比べて2週間ほど早く始まった。昨年はクリスマス直前までロックダウンとなり、消費が奮わなかったことが影響している。

▲コロナ以前のような渋滞が戻ってきた週末のクアラルンプール繁華街

 クアラルンプールの商業施設では、11月上旬からクリスマスの装飾を始め、消費者の気分を盛り上げている。買い物客が増加したことで周辺の道路は渋滞するなど、コロナ以前の活気が戻りつつある。一方で、1日あたりの新規感染者数が6000人前後を維持しているため、店頭販売に加えて、ドライブスルーやオンラインショッピングを強化する商業施設や小売店も多いようだ。

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