1日あたりの死者数が最多を記録 @タイ・バンコク【5月5日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】

▲線路脇にあるスラム街

入国時隔離期間、再び14日間へ延長

 タイ政府が国外からタイへ入国する人への隔離義務の期間を14日間に戻すことを発表した。5月1日以降に入国許可証を取得した人、また以前に取得していた人でも6日以降に入国する場合も対象となる。

 政府による入国時の隔離義務が設けられたのは昨年7月のこと。新型コロナウイルスの感染拡大のため入国禁止とした措置を緩和し、14日間の隔離を義務づけるようになった。今年4月には緩和され、隔離期間は原則10日間、ワクチン接種者に対しては7日間へと短縮されていたが、3月下旬にバンコク首都圏でのクラスター発生を機に各地で感染が拡大していることから、再び規制を強化する構えだ。隔離期間中は指定のホテルでの滞在が義務付けられ、客室から出ることも禁止される。

 また、政府は1日、特に感染拡大が深刻なバンコクのほか、首都圏のパトゥムタニ県、ノンタブリ県、サムットプラカン県、チェンマイ県、チョンブリ県を最高厳重管理地区に指定し、20人以上の集会や飲食店の店内営業を禁止することを決定した。テイクアウトの営業のみ21時まで許可となるが、店内営業は一切禁止となる。違反者への罰則を強化する県も多く、タイ南部のスラタニー県では4日から2人以上での飲酒を禁止することを発表。違反者には最大で禁固2年、罰金4万バーツ(約14万円)の両方が課されることもある。

 タイ国内での感染は悪化の一途をたどっており、4日の新規感染者は1763人、死者27人に上っている。3日には過去最多となる1日あたりの死者31人を記録。4日時点の死者累計は303人となった。新型コロナによる死亡率も急増しており、4月17日時点で0.24%だったが5月4日時点で0.42%へ上昇。バンコク首都圏での病床使用率は4月下旬には80%を超えるなど、厳しい状況が続いている。

 SNSでは不審死に関する投稿が新型コロナが原因ではないかと拡散されるなど、バンコク都民の間で急拡大する新型コロナに対する不安が高まっている。

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