州ごとに異なるワクチン接種証明が全国共通に @カナダ・カルガリー【11月20日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲戦没者を追悼するための真っ赤なポピー

 政府は新型コロナのワクチン接種を証明する、『カナダ統一ワクチンパスポート』の発行を進める。カナダは州ごとに自治権が認められているため、各州で異なる内容やデザインの証明書が使用されている。統一の証明書には、国旗やロゴのほか、氏名、生年月日、ワクチンの接種回数、種類、ロット番号、接種日、接種履歴を含むQRコードが含まれる。現在は、西部のアルバータ州を除く全州で運用されている。

 カナダ保健省は、新型コロナウイルスのブースターワクチンを、53万人以上が接種したと発表した。高齢者をはじめ、免疫不全や基礎疾患があるといった、重症化の恐れがある人から接種を進める。2回目から6カ月以上が経過した18歳以上が対象だ。国内では、ワクチンを接種できる12歳以上のうち、85.23%が2回の接種を完了している。

 オーロラ観光で人気のあるユーコン準州は12月3日まで、緊急事態宣言を再発令した。新型コロナの新規感染者が急増しているため、感染拡大を防ぐ目的だ。人口は5万人程度で、新規感染は1桁を維持していたが、11月に入り70人前後に増加した。屋内の公共エリアでマスク着用が義務となり、飲食店や小売店、イベントなどの入場人数が制限される。

 第一次世界大戦以降の戦争で亡くなった軍人らを追悼する「Remembrance Day(戦没者追悼記念日)では、全国各地で式典が行われるが、昨年に続き今年もオンライン開催が多かった。毎年11月になると、赤いポピーのバッジを左胸に着けた人に多く出会う。フランダース地方の戦場で、戦闘後に赤いポピーが咲き誇ったという、カナダ人軍人の詩が由来となったと言われている。

 祝日が近づくと、ショッピングモールや飲食店、小売店などのあらゆる場所に、募金箱と赤いポピーのバッチが設置される。バッチが自由に持ち帰りができ、募金は退役軍人や医療機関の支援に使われるという。ハロウィン後の11日間は、戦没者を追悼する期間として静かに過ごすことが推奨され、12日以降に一気にクリスマスムードになる。

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