11月1日から2日間で4510人が入国 そのうち700人は日本人 @タイ・バンコク【11月7日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲観光スポットともなる寺院の多くも再開した

11月1日から隔離なし入国が再開

 タイ政府は11月1日から条件付きで隔離なしの入国受け入れを再開した。対象となるのは日本を含む63の国と地域で、空路での入国に限定される。出発国に21日間以上滞在し、かつ入国までの14日前までにタイ政府もしくはWHOが承認したワクチンの2回接種を完了しており、それを証明する英文の接種済み証明書を所持しているほか、入国前72時間以内のPCR検査の陰性証明書と5万アメリカドル(約560万円)以上の新型コロナウイルス感染症の治療費を含む医療保険への加入が条件となる。さらに、政府指定のホテルを1泊分予約し、その支払い確認書、入国時と入国後6~7日後にPCR検査が必要となる。また、新型コロナの感染履歴を持つ人は、完治から3カ月以内であることを証明する書類が必要だ。

 11月1~2日の2日間に隔離なしで入国した人数は4510人。このうち最も多かったのが日本人で、700人が入国を果たした。在日タイ大使館では今回の規制緩和を受け、新規入国申請システム、タイランドパスを11月1日から運用している。

 だが、タイ国内では今も感染拡大に対する警戒が高い状況のままだ。11月4日の国内新規感染者数は7982人、死者68人。首都圏の学校では前期と変わらずオンラインでの授業を行うところが大半を占めている。通常授業を再開した東北部にあるハムダハーン県にある小学校では集団感染の疑いにより学校が閉鎖されるなど、混乱はいまだに続いている。

 政府は今回の規制緩和を観光産業の回復につなげたい構えだ。コロナ前の2019年にはタイを訪れる海外からの入国者数は年間4000万人だったが、2020年は3月下旬に発令された非常事態宣言により、航空機や貨物船舶の乗員ら一時入国者を含めても1159万人に減り、2021年は10月現在で140万人にまで減少していた。

 政府は9月にも飲食店の営業規制を一部緩和するなど、経済対策に力を入れている。タイ中央銀行の月例報告よると、2021年9月の民間消費指数(PCI・速報値)は前月比3.9%増、民間投資指数(PII・速報値)は1.5%増となっており、少しずつ回復の兆候を見せ始めている。バンコクでも飲食店内でのアルコールの提供を11月1日から午後9時まで解禁するなど、規制緩和が広がっている。

 規制緩和が広がる一方で、感染者数が減少しない現状に戸惑いが広がっている。新型コロナによって大幅に縮小した観光産業の復活を祈る一方で、さらなる感染拡大を危惧する人も多く、予断を許さない状況はまだ続きそうだ。

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