感染者増が止まらないイギリス @イギリス・ロンドン【9月16日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2020/9/20
- イギリス, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
ポルトガルが再び14日間隔離対象に追加
イギリスでは日を追うごとに感染者数が増えている。バーミンガムやサンドウェル等が新たにローカルエリアロックダウンの実施を決定。家族間、友人間での交流は屋内のみに限定され、屋外で会うことは禁止となった。海外からの帰国者に対し14日間の隔離を義務付けるセーフリストからの除外については、ポルトガルが再び追加されることになった。同国は11日に隔離義務の解除が発表されたばかりだったが、感染者が急増していることから、再び隔離義務が設けられることになった。
14日からは屋外で6人以上での集会することを禁止する『Rule Of Six(6人ルール)』が施行されたが、これに対し各地で反発の声も上がっている。学校やレストラン、パブ、ジム、宗教施設等といった屋内施設で6人以上のグループが複数いることもあるためだ。中には、施策に従わないと表明するものもおり、困惑が広がっている。また、政府は公園やマーケットなどでソーシャルディスタンスがただしく守られているかを監視する『covid secure marshals』を新たに設置することを発表。引き締めが強くなる一方で、暴動の発生を恐れる声もある。
また、感染者数が増える一方で、検査の受け入れ体制が逼迫し問題となっている。発熱してもスムーズに検査を受けることができない人も多いという。実際、私もその状況下に追い込まれる事態が発生した。
きっかけは9月8日、子供が鼻づまりになって学校を休ませたことだ。夜になると熱が37.8度になり、学校に相談したところ、COVICテストを受けてほしいと言われた。翌日になって電話で「111」(救急を要さないもののドクターに相談が必要な際にかける回線)にかけると、ドクターから折り返し電話をもらえると返事をもらったが、その後約4時間待たされることになった。その後、ドクターからようやく電話がかかってきたものの、「救急を要する状況なので」と「119」(コロナ、テスト申し込み用の回線)へと連絡するように指示された。だが、実はドクターからの電話を待っている間、既に私は電話で申し込みできる「119」に連絡しようとしていたが、回線が混雑しているのかなかなか受け付けられない状況が続いていた。たらい回しの状況と、指示された先の119になかなかつながらない状況に不安は増すばかりだった。
再び119に連絡し、20分ほど待たされてオペレーターとつながったが、案内されたテストセンターは、車で約3時間かかる130マイル(約210キロメートル)離れたセンターだった。簡単に行ける場所ではないので、別の方法を尋ねると、案内されたのはウェブで申し込み出来る受付サイトだった。20分ごとに情報が更新されるので、何度もアクセスしてみてほしいとのことだ。実はこちらも案内される前から試していた。ドクターからの電話を待つ間ずっと試していたが申し込みができず、諦めかけていたのだが、最終的には粘り続けてウェブからの申し込みができた。
ようやく検査を受けられたが、最終的に家族全員の検査結果が出たのが15日のこと。結果が出るまでは当然ながら自己隔離をしており、子供も学校に行くことができなかった。検査体制の受け入れが逼迫(ひっぱく)している状況は聞いていたが、いざ自分が体験してみると、その大変さを痛感した。テストセンターはさまざまな地域にあるものの、まったくと言っていいほど予約が取れない。予約なしでも検査を受けたいと、長蛇の列をなしているところもあるという。実際に高熱が出たからだけでなく、少しでも体調不良に陥ったときに、こうしたテストを受けなければ日常生活に戻れないという恐怖がある。政府も検査の受診を勧めているが、こうした状況が改善されない限り、国民の不安は解消されないのだと感じた。