ワクチン接種対象年齢を12歳に引き下げ @タイ・バンコク【10月5日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】

▲バンコクを流れるチャオプラヤ川

洪水被害も発生 約29万戸が被災

 タイ政府は10月4日、新型コロナウイルスのワクチン接種対象年齢を12歳まで引き下げる方針を発表した。新たに接種対象となった12歳~17歳の人口は約450万人おり、ファイザー社製のワクチンが用いられる。接種には保護者の同意が必須となっているが、副作用などを恐れて接種を見合わせるという保護者の声も少なくない。同日に発表された新規感染者数は9978人、死者は97人。以前のような爆発的拡大からは一段落したようにも見えるが、国内での警戒はいまだ高いままだ。

 また、10月に入ってからは各地で洪水被害も広がっている。内務省の発表によると、9月23日から10月4日までで国内32県の約29万戸が被災。死者8人、行方不明者1人となっている。特に被害が大きいのがタイ中央部のアユタヤ県。世界遺産を抱える国内有数の観光地だが、バンコクの西側を流れるチャオプラヤ川の影響から毎年のように水害に見舞われている。

 タイは洪水被害の多い国だ。2011年7月末から2012年1月まで続いた大規模洪水ではタイ北部からバンコクまでの広い地域で被害が広がった。被害総額は1567億バーツ(約4000億円)ともいわれ、当時のアユタヤに多かったハードディスク関連の工場が多数被害を受けた。当時のタイはハードディスクの生産量で世界2位、シェア30%を占めており、洪水被害によって価格が高騰する事態となった。同年は近隣諸国を襲った台風の影響でタイ国内で天候不良が多発し、降水量が多かった。しかし、タイ北部のダム放流や各地の治水対策が洪水を長引かせる要因になっているとの指摘も根強く、当時のインラック・チナワット首相に対する批判が高まった。

 現在の洪水も被害は大きいが、例年と比べれば大きな違いはないとする見方も強い。水害被害そのものが政権批判にまで発展する見込みは高くないが、一方で2014年から続く軍事政権に対して若者を中心とする反政府運動が活発化していることから、相乗効果で反政府運動の激化につながらないか、国民の不安は高まっている。

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