3カ月ぶりのパブ営業再開 @イギリス・ロンドン【7月7日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲報道されたソーホー地区の『スーパーサタデー』の様子

『スーパーサタデー』に長蛇の列も

 7月4日の土曜日はパブが3カ月ぶりに営業を再開し、この日を待ち望んでいたイギリス国民から『スーパーサタデー』と名付けられた。

 4日当日は、一部店舗では持ち帰りのみなどの自粛営業が行われたが、多くのパブやカフェ、レストランが再開した。エリアによって混み具合には違いが見られ、人気エリアのソーホーでは人がごった返していた。ロンドン中心部では並ばずに入れる店舗も一部あったが、中心部から離れたゾーン2やゾーン3の店舗では座って飲食したい場合は予約が必須で、予約をしていない人が入店を待つために長蛇の列を作った。

 パブはイギリス最大の文化ともいえる場だ。実際に店舗を訪れると、周りから「Feel so good to be free! And have fun again!(自由ってなんていいんだ! また楽しめるよ!)」という言葉が飛び交っていた。週末にバーを訪れてみると、以前とまるで変わらずに営業している店舗が多かった。

 ただ、そうした雰囲気の中でも、営業側は新型コロナウイルスの感染拡大の防止に努めており、各テーブルにウェイターを呼んで注文するタイプの店舗が多かった。また、来店客から感染者が発生した場合に備え、グループでの来店客には代表者の氏名を控え、入店時と退店時の時間を記録することが義務付けられている。客側は情報の提示を拒むこともできるが、そうした客の入店を拒否することも認められている。

▲再開された地元のバー

 パブの営業再開を巡っては、ソーシャルディスタンスが保てないとの理由から反対する声も多かったが、結局、4~6日の3日間で3店のパブで感染が確認され、閉鎖される事態となった。パブを待ち望んでいた人は非常に多いが、以前に比べればまだ利用者は少ないようだ。

大手新聞デイリーミラーが関連会社500人強をリストラ

 長引く新型コロナで失業問題も深刻になってきた。イギリス大手新聞社のデイリーミラー社は、関連会社を含む社員500人強をリストラすることを発表した。理由は新型コロナによる規模縮小。こうしたリストラは多くの会社で行われており、今後も失業者は増える見通しだ。また、新型コロナで陰に隠れた形となっているイギリスのEU離脱問題についても、完全離脱まで残り200日を切った。急ピッチで協議が進められているようだが、決断は先送りの状態が続いている。

 一方で、香港国家安全維持法の施行決定を受け、ボリスジョンソン首相は290万人の海外市民の受入れを表明した。通常6カ月間のビザを5年間に延長して支給し、その後は永住権や市民権の申請も可能となる。今後数カ月以内に施行される見通しだ。

 また、7月10日から60カ国で隔離期間なしでの渡航が解禁となる。日本やオーストラリア、韓国の他欧州諸国は対象となっているものの、アメリカや中国、ブラジルなどは対象となっていない。

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