会期:2021年6月30日(水)~7月2日(金)
会場:パシフィコ横浜 展示ホール・アネックスホール
主催:(一社)OPI協議会
出展者数・小間数:293社・361小間
構成展:レーザーEXPO、レンズ設計・製造展、赤外・紫外応用技術展、産業用カメラ展、宇宙・天文光学EXPO、ポジショニングEXPO
光とレーザー技術の展示会「OPIE」には、工学や電気、半導体、測定器、装置、レンズのメーカーが集まった。従来品よりも、高度な技術や機能を持つ商材を探す人が多く、産業用カメラ、ガラスウエハー、冷却装置に関心が集まった。2年ぶりの開催となったが、悪天候と新型コロナウイルスの影響が重なり、来場者数は例年の半数以下だった。
業界としてはコロナの影響を受けないとするものの、コロナ下で新規獲得のために自社で動画コンテンツの配信やECサイトの開設を最近始めた、始める準備をしていると話す出展者が複数いた。
名刺交換枚数は少ないが、話の質は高い
トプティカフォトニクス(東京都府中市)
グループの本社はドイツにある。レーザーシステムを開発、製造しており、この展示会に出展するのは4回目だ。ブースには、電気・エレクトロニクス系企業が訪れ、開発精度の向上を図りたい量子コンピューター系の研究開発者が我が社のグリーンレーザーに興味を寄せていた。2日間で交換した名刺は50枚と、数は少ないが話の質は高く、出展した意義はあったと思う。
設備開発・研究開発の段階で使われる製品を提供しているので、需要や供給については新型コロナの影響を受けない。開発そのものは手を止めずにやってきた。
つながりそうな名刺は1日20枚ほど
レイチャーシステムズ(東京都新宿区)
レーザー発振器やレーザー加工装置の製造販売、および輸入販売などをしており、この展示会にはもう13、14回出展している。ブースには、産業・工業系の関係者が訪れ、レーザー加工装置に興味を寄せていた。機械加工で技術的に難しいものをレーザー加工で解決できないかという課題を抱えている。前回開催時の2019年と比較すると、全体の来場者もブース訪問者数も体感では半分以下。残しておきたいと思える名刺は1日20件ずつ。低く想定したよりも、悪かった。
新型コロナ前後でユーザー数や問い合わせ内容の変化は見られない。ユーザーはコロナ下でも業務に変化が生じたわけではないため、自社の営業も含めて大きな変化はない。
名刺交換枚数は1日40〜50枚
エバ・ジャパン(東京都港区)
ハイパースペクトルカメラを開発製造、販売したり、光分析技術の開発やコンサルティングをしており、この展示会には何回も出展している。ブースには、材料の傷などの検知精度を上げたいレーザー系・工業系の担当者が訪れた。意外なところではファッション関係者が洋服の加工に応用できないかという目的で来場したことだ。名刺交換枚数は1日40〜50枚で、数として多くはないが、商談の質は例年よりもいい。
コロナ下でも問い合わせ内容やユーザー層には変化を感じない一方で、展示会には変化を感じる。以前は技術調査目的が多かったが、特に今回の展示会では、新型コロナと悪天候が重なった中で足を運んでいる分、具体的な課題を持つ来場者が増えた。
名刺交換したのは、1日50枚ほど
ミツル光学研究所(川崎市)
半導体関連部品などを製造、販売しており、この展示会に出展するのは初めてで、ガラスウエハーを紹介した。展示会の主要来場者層であるレンズ・レーザー系業種の興味を引くことはできなかったが、ブースには、ガラスを使用する測定器メーカーや装置メーカーが訪れた。機器の中でガラス部分は限定されるため、来場者は明確に欲しいガラスのイメージを持っている。我が社のメインターゲットである半導体メーカーは、あまり展示会に訪れていないようだ。名刺交換は1日50枚程度で、もう少し数は欲しかった。
業界的に新型コロナ前後で問い合わせ内容や客質が変わることはない。2020年の最初の緊急事態宣言の頃はどこの企業も動きが止まり、一時注文数が落ち込んだが、翌月の5月以降は自然回復した。コロナ下の営業ではウェブミーティングが圧倒的に増えた。日頃の打ち合わせはウェブで十分だ。出張がなくなったことは、経費削減の面では良いことだが、商談の大事な部分では対面の必要を感じる。
来場者数が目に見えて減っている
日東光器(東京都千代田区)
精密光学部品を製造、輸入販売しており、この展示会には10回以上出展している。ブースには、半導体メーカーや通信業界から来場があり、レーザー用の光学部品に関心を寄せていた。レーザーの耐久性への不安やカタログ品にないものの相談が目立つ。商材としても業界としても新型コロナの影響を全く感じないが、来場者が目に見えて減っているのは痛手だ。名刺交換したのは、例年よりずっと少なく1日20枚程度だ。
コロナ下ではウェブ商談に切り替えた。また、リアル展示会の開催が危ぶまれたり、来場者の減少を受け、新規開拓策の一環として、動画コンテンツの制作、発信を準備中だ。