証明書の発行で、ワクチン接種率の向上を目指す @マレーシア・クアラルンプール【9月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/9/9
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マレーシアでは4日、新型コロナウイルスのワクチン接種対象である、18歳以上の65.1%が規定回数の接種を終えた。総人口の47.8%に相当するが、政府が目標とする60%には達していない。デルタ株の拡大により、8月以降は1日あたり2万人前後の新規感染者数が確認されているため、今後は12〜17歳へ対象を拡大することを検討している。
規定回数の接種が完了した人には、『デジタルワクチン接種証明書』が追跡アプリ経由で付与される。ファイザー製、アストラゼネカ製、シノバック製、モデルナ製、シノファーム製などは、2回接種後、14日以上経過していることが条件となる。ジョンソンエンドジョンソン製やカンシノ製は、1回の接種後に28日以上経過している必要がある。
ロックダウンは解除されていないが、8月20日以降は証明書の提示により、店内飲食が可能になった。アパレルや文房具、家電量販店といった、必要不可欠の業種以外の店舗に入店できる。店舗側は接種を完了した従業員の割合により、操業率が定められた。
ワクチン接種完了の 従業員の割合(%) | 操業率(%) |
---|---|
40〜59 | 60 |
60〜79 | 80 |
80〜100 | 100 |
ワクチン接種は義務ではないが、証明書の導入によって、社会活動の制約において格差が出ることが予想される。学校の対面授業は10月3日から再開予定だが、生徒や教員、学校関係者らに対して、強制力を持って運用される可能性が指摘されている。
ワクチン接種の完了者に対して、独自の販促キャンペーンを行う飲食店が増えた。あるベーカリーは、ポイントカードを兼ねたキャッシュレス決済システムの利用で、30リンギット(約750円)以上を購入した人に、無料のパンを提供する。カフェチェーンは、コーヒーを1杯購入すると2杯目を無料にする。ハンバーガーショップは、専用アプリをダウンロードすると、10リンギット(約250円)を割り引くクーポンを発行する。ワクチン接種を促進すると共に、ロックダウンの規制緩和や解除した後に備えて、消費者を取り込む狙いがあるようだ。