店内の飲食時にワクチンパスポートの提示が必須に @カナダ・トロント【9月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/9/5
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トロントのあるオンタリオ州は1日、新型コロナウイルスのワクチンパスポートを導入することを発表した。飲食店や映画館、ナイトクラブ、イベントやスポーツ施設といった、マスクの常時着用が難しい屋内の施設に入る際に適用される。ワクチンパスポートを導入しても、社会的な距離の確保やマスクの着用は求められる。
ワクチンパスポートを導入する場所では、ワクチンの2回接種後に、14日以上が経過したことを示す証明書と、写真付きの身分証明書を同時に提示する。医学的な理由で接種できない人、12歳未満の子どもは対象外となる。飲食店の従業員らは職場に立ち入る際には適用されない。
2段階で導入され、9月22日からは政府が発行するワクチンの接種証明書の印刷物かメールの提示となる。10月22日からは、スマホアプリに表示したQRコードをスキャンして、証明書を提示する運用に変更する予定だ。違反した個人は750~1000カナダドル(6万5000~8万7000円)、企業は違反内容により多額の罰金を科される。
同州では、新型コロナの感染者に濃厚接触した場合の規則を改訂した。2回目のワクチン接種から14日以上経過した人は、PCR検査が陰性で無症状であれば、自主隔離が不要になった。1回接種または未接種の人は、PCR検査が陰性であっても10日間の自主隔離が求められる。
国内の多くの州では、今年中に12歳になる11歳の子どもに対して、ワクチン接種を開始した。提供されるワクチンはファイザー製で、接種会場や薬局で受けられる。新学期が始まる9月以降は、児童の感染拡大が予想されるため、8月中の接種が推奨された。
感染拡大を予防するため、公務員に対するワクチン接種が9月から義務となった。民間企業でも、銀行や交通機関、学校、保育をはじめ、幅広い業界が後に続く。大学病院などの医療機関や航空会社のエアカナダは、10月末までに接種していない職員を解雇すると発表した。雇用時に接種完了を条件とする企業も増加した。基礎疾患や体質により接種できない人は配慮されるが、宗教や自らの意思により未接種の場合は、公衆衛生を優先する組織が増えている。