物流の人材不足で、スーパーや飲食店の商品が減少 @イギリス・ロンドン【8月25日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲ Nando’s(ナンドス) のチキングリル

 新型コロナウイルスやEU離脱の影響で、人手不足が深刻化する中、多くの企業で物流が滞っている。スーパーの陳列や在庫、飲食店で提供するメニューが減少し、特に鶏肉の供給が追いついていない。養鶏所と加工工場の人材不足が加速しているほか、物流トラックの運転手が賃金を巡りストライキを計画していることが影響している。

 鶏肉の供給減に伴い、チキングリルを提供するNando’s(ナンドス)は、25店舗の営業を停止した。鶏肉の加工工場に70人を配置し、加工から流通までを回復させるという。フライドチキンを提供するケンタッキーフライドチキンは、人気メニューの販売を中止した。店頭に「スタッフの責任ではないので当たらないで」と張り紙をするなど、イギリスらしい言い回しで顧客を和ませた。国内ではクリスマスに向けて、鶏肉や七面鳥が不足することを心配する人が増えている。

 料理宅配サービスのDeliveroo(デリバルー)が、売り上げを伸ばしている。アプリで手軽に注文ができる利便性が人気だ。ロックダウンの終了後にも宅配の需要は減らず、昨年に比べて2倍に拡大した。

 12月上旬までに、新型コロナワクチンのブースター接種といわれる3回目の追加接種を、50代以上や基礎疾患のある人を対象に開始する。高齢者など早期にワクチンを接種した人は、冬までに効果が半減する可能性があることや、健康状態によっては2回接種で抗体を作れない場合があるからだ。

 国内の旅行先として人気のある、ウェールズやイングランドのコーンウォールが、観光客の訪れに困惑している。1日あたりの新規感染者が3万人を超え、感染拡大に歯止めがかからないことが理由だ。観光が主な産業であるがゆえに、頭を抱えている状況だという。

▲25メートルの人工的につくられた丘『マーブルアーチマウンド』

 ロンドンでは新しい観光地として、25メートルの丘『マーブルアーチマウンド』を建設した。植物や展望台を設置した丘は観光客に楽しまれるはずだったが、「土砂を積み上げただけ」「展望台からは工事現場が見える」「ボタ山」といった酷評が相次いだ。

 工事費は当初200万ポンド(約3億円)と発表されていたが、入場料が回収できないことによる最終的な損失は、600万ポンド(約9億円)になる見込みだ。運営するウエストミンスター評議会は、プロジェクトを率いた責任者が辞任したことを発表した。

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