リアルタイムの投票や結果発表で、ライブ感と相互性のあるイベントへ @AG/SUM(アグサム)【オンライン展示会】

展示会名:AG/SUM(AGRITECH SUMMIT・アグサム)2021
会期:2021年6月1日(火)〜30日(水)
オンラインシンポジウム開催6月17日(木)・18日(金)
アーカイブ期間:2021年6月1日(火)〜7月30日(金)
主催:日本経済新聞社(東京都千代田区)
プラットフォーム:NIKKEI NEON
出展者層:農業のスタートアップ企業、アグリテックパートナーの自治体、農業関係団体・法人、大学・研究機関、ベンチャーキャピタル
出展者数:73社

 農業とIT技術の展示会「AG/SUM(アグサム)」がオンライン開催された。スマート農業、AIを活用した技術を開発するスタートアップ企業や、企業や自治体などの農業関連の団体が出展した。メイン会場は日経イベントプロの『NIKKEI NEON』を使用し、交流機能はイベントレジスト(東京都渋谷区)のマッチングサービス『Jublia』と連携した。アーカイブ配信期間に参加した記者が、セミナー、出展者ページ、機能、操作感などをレポートする。


【この記事の内容】

1.出展者について
 ブースではPR動画を配信、企業紹介は各社のサイトへ誘導
2.コンテストについて
 オンライン投票によるライブ感が、最新技術への注目を高める
3.シンポジウムについて
 農業課題についての対談や講演を『YouTube Live』でライブ配信
4.セミナーについて
 インタビュー形式で、技術や活用方法を紹介
5.マッチングについて
 チケット購入で、任意の相手と交流や商談ができる
6.まとめ
 外部サービスと連携し、必要な機能のみ実装したプラットフォーム


1.出展者について

ブースではPR動画を配信、企業紹介は各社のサイトへ誘導

 出展者であるスタートアップ企業と農業の関連団体は、『ミニブース一覧』から確認できる。各ブースに設置された動画の再生ボタンを押すと、1〜3分間のPR動画が流れた。企業紹介のページは設けられておらず、各企業のウェブサイトにリンクが設定されていた。カテゴリーの分け方や企業の紹介文はわかりやすく、一覧性に優れていた。検索機能は設けられていないが、不便には感じなかった。


2.コンテストについて

オンライン投票によるライブ感が、最新技術への注目を高める

 会期中に、動画のプレゼンによるコンテストが実施された。オンラインで4000人が投票し、専門家による審査の結果、会期2日目に結果発表と表彰式が配信された。上位者はオンラインピッチを行い、イベントのライブ感と共に、多くの人が注目する技術について知ることができた。

 農業の関連団体の部門では、深谷市(埼玉県)とビビッドガーデン(東京都港区)のオラソル農園が同時に受賞した。スタートアップ企業の最優秀賞・日経アワードには、アグリスト(宮崎県児湯郡)の収穫ロボットが選ばれた。


3.シンポジウムについて

農業課題についての対談や講演を『YouTube Live』でライブ配信

 オンライン限定のシンポジウムには、国内外のアグリテックやフードテックの専門家、企業のリーダーなどが登壇した。トレーサビリティ(追跡可能性)、食品ロス、資金調達といった、農業を取り巻く課題についての対談や講演を『YouTube Live』で配信した。

 配信は、東京都中央区の高機能発信拠点『X-NIHONBASHI-TOWER』から、6月17日(木)・18日(金)に行われた。両日共に、10時間という長時間の配信だったが、アーカイブ期間には、任意のプログラムのみ選択して視聴できた。


4.セミナーについて

インタビュー形式で、技術や活用方法を紹介

 出展者によるセミナーは、主催者がモデレーターとなるインタビュー形式で行われた。単なる技術の紹介に終始せず、より詳細な内容をわかりやすく伝える構成だった。配信時間は20〜30分で、視聴しやすい長さだった。


5.マッチングについて

チケット購入で、任意の相手と交流や商談ができる

 参加者同士の交流やネットワーキングには、ビジネス向けのマッチングプラットフォーム『Jublia』が使用された。チケットを3000円で購入すると、交流したい相手の検索や閲覧、商談予約、ビデオ通話ができる。


6.まとめ

外部サービスと連携し、必要な機能のみ実装したプラットフォーム

 動画のプレゼンに対するオンライン投票や、シンポジウムでのコンテスト発表により、リアルに近いイベントの雰囲気を演出していた。アーカイブ期間に参加したが、シンポジウムの動画からは、単に出展者が並び、セミナーが配信される一方通行な展示会ではなく、相互性があるイベントだと感じることができた。

 企業ブースは設置せず、各企業のサイトにリンクしたことや、マッチング機能を外部サービスと連携したことで、シンプルで閲覧しやすいサイト構成になっていた。プラットフォーム内に機能を盛り込みすぎない方が、使用感がいい場合もあると感じた。

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