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他人のアイコンに近づくと音声で話ができる臨場感 @太陽光サミット【オンライン展示会】
- 2021/3/14
- DMM.com, DX(デジタルトランスフォーメーション), オンライン展示会, 環境・エネルギー
太陽光発電の展示会「太陽光サミット」は、DMM.com(東京都港区)が提供するオンライン展示会プラットフォーム、DMM[SHOWBOOTH](DMMショーブース)を使って開催された。バーチャル空間で音声を利用して交流する機能では、対面で立ち話をする感覚でコミュニケーションができた。企業ブースや機能、操作感、出展者の声についてレポートする。
会期:2021年2月3日(水)〜5日(金)
主催:合同会社DMM.com(東京都港区)
プラットフォーム:DMM[SHOWBOOTH](DMMショーブース)
【この記事の内容】
1.インターフェイスについて
メイン画像の下に、表示される氏名と所属
2.『交流ラウンジ』を体験
アイコンを移動させ対話、近距離の声は大きく聞こえる
3.セミナー・企業ブースについて
交流ラウンジやブースに誘導する文章はあるが、リンクは設定なし
4.出展者の声
12件のリードを獲得、準備からフォローまで在宅社員1人で対応
5.まとめ
参加者の交流を活性化するには、ITサポートが必須
1.インターフェースについて
メイン画像の下に、表示される氏名と所属
事前登録の上、自分のプロフィールを入力して入場する。トップページにはメインビジュアルと、自分のデータが表示される。スクロールすると、『交流ラウンジの説明』『お知らせ』『展示会マニュアル』『出展企業(一部)』『登壇配信セミナー』が表示される。
2.『交流ラウンジ』を体験
アイコンを移動させ対話、近距離の声は大きく聞こえる
プラットフォーム最大の特徴である『交流ラウンジ』を体験する。出展者と来場者がバーチャル空間にて、音声、チャット、映像を使って交流する機能だ。
見た目はゲーム空間のようだ。『まずは試しに話してみたい』『目的の企業に訪問したい』『周り方を相談したい』という3つのルートが用意され、好きなものを選べる。
ただ、自分がどの位置にいるのかを認識できず、参加できなかった。複数のアイコンが画面に散らばり、絵と文字が小さく分かりづらいからだ。アイコンはランダムに割り当てられる。私の場合は牛のアイコンだった。
アイコンを移動すると、誰かに声をかけられた。心の準備ができておらず、反射的に避けてしまったが、画面を見ると、DMMのアイコンが近づいてきた。再び声が聞こえたので、思い切って応えることにした。
アイコンを取り囲む影のような円は、声が届く範囲を表しているようで、次第に声が大きくなった。デフォルトではマイクはミュートになっていたが、画面下の『マイクボタン』を押すと解除できた。
DMMの担当者は、ナビゲーターとして声をかけてくれたようだ。空間内での音声の聞こえ方、ラウンジ内での交流の仕方について説明があった。音声がクリアな上、距離感も分かるので、リアルの展示会場で主催者と立ち話をする感覚でコミュニケーションができる。
途中でもう1人、DMMの担当者が合流したが、それぞれ異なる位置にいるようで、音声の届き方が違った。近くにいる相手のアイコンをタップすると、チャットができる機能を教えてもらった。
会話の途中で操作を誤り、交流ラウンジの外に出てしまうアクシデントがあった。再度入場した後、自分の位置を探すのに時間がかかった。
面白い体験だったが、突然声をかけられると動揺した。ラウンジに入る際に「DMMからお声がけをします」と表示されたり、初心者マークをつけて入場できたりする機能があると安心できそうだ。
私からも出展者に声をかけた。通路にいた数人に話しかけてみたが、反応はなかった。アイコンを置いたまま離席できる機能があるので、実際はラウンジ内にはあまり人はいないのかもしれない。チャットを送ってみたが、相手にどのように届くのかは不明だ。一度離席して戻ると、送ったメッセージは見えなくなっていた。その後も、何人かに声をかけたが、残念ながらオンタイムで活動している人に出会えなかった。
主催者としか話せなかったが、音声コミュニケーションの面白さを体感することができた。主催者がサポートとマッチングを行えば、参加者のハードルは下がるだろう。逆に言えば、ただ空間を用意するだけでは、活用が難しいように思う。
表示される文字やアイコンは小さく、13インチのパソコン画面でも判別に苦労した。表示される情報が多く、画像や文字情報に気を取られてしまうので、もっとシンプルに作成した方が、会話に集中できるのではないだろうか。インターフェース次第では、モバイルでも活用できると感じた。
3.セミナー・企業ブースについて
交流ラウンジやブースに誘導する文章はあるが、リンクは設定なし
ライブ配信と録画映像が提供されていた。大きな画面でスムーズに視聴できた。質疑応答できるチャット欄などはなく、交流ラウンジか企業ブースへ誘導しているが、リンクは設定されていなかった。
出展企業は、トップページ上では6社が現れた。リロードの度に変わるので、ランダムで表示されるようだ。『もっと見る』をクリックすると、全ての出展者リストにリンクした。『太陽光発電システム』『蓄電システム』などのカテゴリで、絞り込み検索もできる。
各企業ブースでは、メイン画面に商材を説明する画像が大きく表示される。クリックしても変化はなく、リンク先もないので、画像に情報を盛り込んでおく必要があるだろう。スクロールすると、説明テキスト、動画、資料ダウンロードなどができる。
一番下には『いいね!』『お問い合わせ』ボタンが配置されていた。『いいね!』を押すと、本当に押していいかを確認された。個人情報が伝わることを、再確認しているのかもしれない。通常の展示会では見られない機能だった。
チャットの対応は、企業によって異なる。自動メッセージがすぐに送られてくる企業もあれば、チャット機能が設置されていない企業もあり、さまざまだった。
交流ラウンジの常駐時間を記載している企業もあったが、リンクは設定されていない。関心を抱いても、ゼロから交流ラウンジにある企業ブースを探し出すのはハードルが高い。ダイレクトに企業のラウンジに移動する機能を装備してほしい。
4.出展者の声
12件のリードを獲得、準備からフォローまで在宅社員1人で対応
国際航業(東京都千代田区)
クラウド型のエネルギー診断サービスを展示した国際航業(東京都千代田区)は、オンライン展示会に今回初めて参加した。会期中に117社が来場し、12件のリードを獲得した。CSVで企業情報をダウンロードできるので、メールですぐにフォローできたという。内訳は、料金プランのトライアル3件、アポ1件、資料ダウンロード9件だった。
オンライン展示会は、数値化、自動化がしやすいので、生産性が高い点がメリットだという。また、リモートワークの社員が1人で、準備から当日の実施、会期後のフォローまでを完結できる点も魅力だ。
一方で、出展者、来場者ともに、参加母数が少ない点をデメリットとして挙げた。オンラインで全ての過程を対応することに、不慣れな人が多いからだ。特に、ITリテラシーが低い決済者層は、参加することが難しいだろう。
交流ラウンジでは、来場者との出会いはなかったが、出展企業4〜5人と雑談をした。慣れていないので恥ずかしさがあったが、リアルの交流会同様に、主催者が間に入ってマッチングを行うとスムーズに進行できるのではないか。
他にも、ブース来場者の属性を取得してメールやチャットを送る、資料のどこに興味を持って問い合わせたかを可視化する、来場者フォローの連絡を自動化するなどの機能を求めていた。
「参加者は少なかったが、出展料が無料だったので貴重な経験になった。有償では費用対効果を感じないだろう」
5.まとめ
参加者の交流を活性化するには、ITサポートが必須
交流ラウンジでは、音声コミュニケーションの可能性を感じた。一般のオンライン展示会では、Zoomを装備しても活用されない場合もあるが、近くのアイコンに話かけることができる交流ラウンジでは、対面で会話をしているかのように感じられたからだ。
しかし、これらの機能を活用できるような、ITリテラシーを持つ参加者は少なそうだ。会期中にオリエンテーションを行うなど、運営者のサポートが必要だと感じた。また、ビジュアル面でも、他のアプローチ方法があるだろう。
企業ブースと交流ラウンジ、セミナーの動線も課題だ。同じ企業に関するページは、ワンクリックで移動できると、離脱が減って集客につながるのではないだろうか。