基本的な機能を備えたプラットフォームだが、コンテンツの魅力が伝わる見せ方が必要 @page online【オンライン展示会】

展示会名:page 2021 online
会期:2021年2月8日(月)~28日(日)
主催:(公財)日本印刷技術協会
プラットフォーム:日経イベント・プロ
出展者数:41社

 印刷・メディア業界の展示会「page」がオンラインで開催され、41社が出展した。全体的にシンプルな構成で、商材情報や紹介動画、名刺交換、資料ダウンロードといった、基本的な機能を備えたプラットフォームであった。一方で、画面に表示される情報が少なく、スクロールの手間を要するなど、デザインを含めた見せ方は改善の余地がある。会期中に参加した記者が、プラットフォームや出展者ブース、セミナーについてレポートする。


【この記事の内容】

1.インターフェースについて
 シンプルだが、サイト内の詳細が分かりにくい構成
2.企業検索について
 検索しやすいよう、選択肢をタグ表示する工夫が必要
3.企業ブースについて
 動画視聴がスムーズ、特設ページを設ける企業も
4.セミナーについて
 一部は視聴前にオンライン名刺交換が必要
5.出展者の声
 オンライン展示会は、リード獲得より認知拡大の側面が強い
6.まとめ
 コンテンツの魅力を伝えるため、プラットフォームの改良に期待



1.インターフェースについて

シンプルだが、サイト内の詳細が分かりにくい構成

 事前登録の上、公式サイトか案内メールから入場する。トップページには、展示会のテーマである『リセット・ザ・フューチャー』というビジュアルが現れる。画面の中央には、主催者からの最新メッセージが表示された。色数を絞ったシンプルな画面構成で、装飾は見られない。

 最上部はメニューで、『出展社一覧・検索』『開会のご挨拶』などの文字が並ぶ。参加者の端末環境によるのかもしれないが、中途半端な位置で改行され、見栄えがよくない印象だ。

 画面に表示される情報量が少ないので、内容を把握するには多くのスクロールが必要だった。サイト内をどう回遊したらいいのか、つかみにくいビジュアルだと感じた。


2.企業検索について

検索しやすいよう、選択肢をタグ表示する工夫が必要

 メニューの『出展社一覧』をクリックすると、検索窓が表示された。この時点ではどんなキーワードで検索するべきか分からないので、最上部に表示する必要はないように思う。

 検索窓の下には『絞り込み』の機能がある。プルダウン式なのでクリックして内容を確認する。選択肢をタグ形式にして一覧表示すれば、絞り込みもしやすく、画面もにぎやかになるのではないだろうか。


3.企業ブースについて

動画視聴がスムーズ、特設ページを設ける企業も

 『page 2021出展者ブース』では、横に2社ずつ企業のバナーが表示された。企業名、二行の企業説明、イメージ画像が配置されていた。『お気に入り』に入れると、後で参照することができる。右側には企業のPRバナーが並ぶ。

 企業ブースのトップページでは、画面の大半をイメージ画像が占め、中央に出展者からのメッセージが表示された。商材については、スクロールしないと出てこない。画像に商材の情報をテキストで入れている企業もあったが、選ぶ画像によっては寂しい印象であった。

 画像の両端には矢印が表示される。別のブースに移動できるランダムウォーク機能だが、画像によっては一体化していて、見落とす場合もあった。

 スクロールすると『商材情報』『名刺交換&お気に入り登録ボタン』『紹介動画』『資料のリンク先』が並び、最後に会社情報が表示された。商品情報の確認や動画視聴の際に、名刺交換が必要かどうかは、企業によって異なる。資料のダウンロードは、一括で行うことはできない。

 動画はサムネイルに内容が表示されるのみで、サイト内には説明がない。内容を把握しにくいので、クリックを促す文字情報が必要だと感じた。一方、再生画面はポップアップで表示されるため、快適に視聴することができた。

 特設ページを用意している企業もあった。リコー(東京都港区)の場合は、別のプラットフォームのオンラインイベント特設サイトに移動した。トップページで全ての情報に到達できるよう工夫されていた。


4.セミナーについて

一部は視聴前にオンライン名刺交換が必要

 オンライン展示会のセミナーは、すべて無料で配信された。同時開催の「オンラインカンファレンス」は有料だった。

 セミナーは、来賓祝辞の『開会のご挨拶』、日本印刷技術協会の『基調講演』、印刷会社や大学などによる『ミニセミナー』、出展者の『スポンサープレゼンツミニセミナー』と、大きく4つに分類される。

 出展者による『スポンサープレゼンツミニセミナー』の視聴には、オンラインの名刺交換が必須だ。会期中に、約30分のセミナーが13本配信された。タイムテーブルはなく、配信されるセミナーのバナーがまとめて表示される。

 『詳細ページへ』から、動画とセミナーの詳細が記載されたページに移動する。このページも余白が目立ち、スクロールしないと登壇者の顔やプロフィールが確認できない。出展者ブースへの導線が用意されていないことも残念だ。動画のスタートボタンを押すと、画面上にポップアップで再生された。


5.出展者の声

オンライン展示会は、リード獲得より認知拡大の側面が強い

土山印刷(京都市)

 自社主催のオンライン展示会を支援しており、この展示会には2018年から出展する。今回は来場者からの問い合わせはなく、想定した成果が得られなかった。オンライン展示会は集客や来場者のサポートが難しく、リード獲得よりは認知を拡大する場だ。

 今後はリアル展示会との併用や、ダイレクトメールからの導線づくりなど、複合的な施策として展開する。オンライン展示会は、自社単独か、協業企業との共催で開催する予定だ。


6.まとめ

コンテンツの魅力を伝えるため、プラットフォームの改良に期待

 サイト内には、オンライン展示会の見どころと、活用法に関する動画が用意されていた。主催者の意欲が感じられる内容だったが、肝心のプラットフォームが追いついていない印象を受けた。

 会期終了後も、動画コンテンツについての分析や実施報告を行い、情報発信、参加者へのフォローを行う。目指す方向は明確だと感じたので、次回以降はより良いプラットフォームになることを期待したい。

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