洗練されたデザイン、ビジュアルより文字で的確に伝える @デジタルイノベーション【オンライン展示会】

展示会名:デジタルイノベーション 2021 オンライン
会期:2021年3月15日(月)~19日(金)
アーカイブ期間:2021年4月1日(木)~15日(木)
主催:日経BP
出展者数:53社

 デジタル変革(DX)に関する展示会「デジタルイノベーション」が、オンラインで開催され53社が出展した。昨年は東京や名古屋など全国5都市で開催したが、今年はオンラインのみとなった。セミナーを主軸に構成され、課題、企業ブース、セミナーの相互性が優れていた。会期中に参加した記者が、プラットフォームやセミナー、動線などについてレポートする。


【この記事の内容】

1.インターフェースについて
 セミナーを主軸としたコンテンツを提供
2.セミナーについて
 画面構成を統一、登壇者と資料を同時に映す
3.企業ブースについて
 ビジュアルは最小限に、文字だけでシンプルに伝える
4.まとめ
 洗練されたデザインで、操作も快適


1.インターフェースについて

セミナーを主軸としたコンテンツを提供

 事前登録の上、ログインして参加する。トップページには、当日に開催されるセミナーが表示される。セミナーがメインコンテンツとして、位置付けられているようだ。

 画面の上部には、『トップ』『セミナー』『バーチャル展示』などのメニューバーがある。その下では、事務局からのお知らせが確認できる。注目のセッションや機能について、1日に数回、情報が更新された。


2.セミナーについて

画面構成を統一、登壇者と資料を同時に映す

 セミナーは、主催者が企画する基調講演、特別講演、出展者によるソリューション講演の3種類だ。会期中は配信日時を限定した公開していたが、アーカイブ期間中には、全てのセミナーが視聴できた。

 メインのビジュアルは、登壇者の顔写真と配信日時で、最大3行で内容の説明がされる。他には、登壇者の所属と名前、課題についてのタグがついている。文字情報が多いが、分かりやすいデザインなので、内容を捉えやすい。

 クリックすると、セミナーの詳細が表示された。内容や配信時間についての説明があり、スクロールすると登壇者の名前、視聴画面へのリンクボタンが現れた。企業ブースへのリンクや連絡先も確認できたので、セミナーと企業ブースが連携されている印象だ。

 上部の『セミナー一覧』をクリックすると、検索画面に移動した。配信日時や課題からセミナーを絞り込める。事前に申し込みが必要であるように見えたが、事前でなくても問題なく視聴できた。

 逆に事前に申し込みをすると、セミナーを視聴する画面への動線が悪くなる。視聴スケジュールは『マイページ』に登録されるが、視聴画面へのリンクボタンがないからだ。代わりに、受講内容の印刷ボタンが表示された。昨年のリアル展示会開催時のセミナー予約システムを、そのまま流用したためだと思われる。

 タイムテーブル画面の『視聴ページはこちら』を押すと、セミナーの概要が表示された。課題についてのタグ、タイトル、登壇者情報、内容の概要、企業情報のほか、企業ブースへのリンクも備えられていた。

 『講演を見る』を押すとセミナー配信画面に移動する。セミナーは動画共有サービスのVimeo(ヴィメオ)で配信され、スムースに視聴できた。配信時間も30分前後とちょうどいい長さだ。

 チャット機能など、出展者と来場者の双方向性はない。一方で、リアルタイムの視聴人数が可視化されるので、注目度を数字で感じ取ることができる。

 スクロールすると、『資料ダウンロード』『アンケートフォーム』『企業ブース』へのリンクが表示される。1ページ内で、セミナーに関する情報が整理されている。

 配信映像の多くは、資料と登壇者が同時に映るフォーマットに統一されていた。全体的に資料の使い方もうまいセミナーが多かった印象だ。


3.企業ブースについて

ビジュアルは最小限に、文字だけでシンプルに伝える

 企業ブースは『バーチャル展示』と表現されていた。トップページには、スポンサーのロゴバナーがランク順に現れる。ロゴと企業名しか表示されないので、商材や分野は分からない。『前の展示』『次の展示』のボタンで、他の企業ブースに移動ができ、回遊性も備えている。

 企業ロゴをクリックすると、各企業のブースに移動する。『バーチャル展示』と表現されているが、3Dを用いたビジュアルは使われていない。さらには、商材画像や動画など、ビジュアル情報は一切なかった。商材の文字情報とセミナーへの誘導がメインで、チャットやオンライン商談の機能も設けられていなかった。

 商材の詳細は、『コンテンツ』にまとめられており、別ページで動画や詳細情報を確認できる。

 メニューバーの『イベントテーマ』からは、課題別に情報を絞り込める。例えば、『クラウド/レガシー対策DX』をクリックすると、この課題に該当するセミナーや企業のソリューション、動画、資料などの情報がまとめて表示された。

 企業名やセミナーではなく、サービスや動画、資料といった情報が検索結果として表示される仕組みは、他の展示会では見られない。ここでも画像はほとんど使われず、文字だけでシンプルかつ的確に情報を伝えていた。

 『資料の一括ダウンロード』をクリックすると、資料のまとめページに移行する。

 資料は、インターネットを介して、PDFで閲覧できる。必要に応じて自分でダウンロードを行う仕組みだ。一覧性があり優れた機能だが、大容量のファイルを一括ダウンロードする機能かと勘違いしたので、タイトルは『資料の一覧』の方が正しいように思う。


4.まとめ

洗練されたデザインで、操作も快適

 全体的に、デザインや動線、文字情報のクオリティが高く、参加者にストレスを感じさせない洗練された構造だ。クリックを促す部分にはグリーンが使われており、操作に悩むことがほとんどなかった。画像や動画を各所に配置していないので、読み込みが速いのもメリットだ。課題、企業ブース、セミナーの相互性も優れていた。

 唯一使いづらかったのは、セミナーの視聴予約画面だ。セミナー予約システムではなく、トップページから直接リンクして、視聴できるようになれば問題ないだろう。

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