ワクチン接種は進むが、感染拡大が止まらず @マレーシア・クアラルンプール【8月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/8/8
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マレーシアでは、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況が続く。1日あたりの死者数は200人を超え、感染者は1万7000人を突破するなど、過去最多を更新している。感染者数の増加は、デルタ株の流行に加えて、職場や建設現場でクラスターが発生したことで、PCR検査の数が増えたことが影響しているという。
成人のワクチン接種の状況は、1回目は56%、2回目は19%と、堅調に推移している。人口の60%が2回の接種を完了すれば、年内にロックダウンを解除する方針だ。現在のペースを維持すれば、10月下旬には達成できる可能性がある。クアラルンプールとセランゴール州は、大規模接種会場において、2~22日は予約不要で提供する。会場は8カ所が国民向け、1カ所が在住外国人向けとなる。
感染拡大が続く中、保健省は個人用の検査キットを承認した。唾液と鼻腔で採取する2種類で、15分で結果が分かる。陽性の場合は結果を示す写真を添えて、追跡アプリで保健省に報告が必要だ。病院での検査費は、190〜240リンギット(約4900〜6200円)だが、自己検査キットは薬局やオンラインなどで、40リンギット(約1000円)で購入できる。適切に採取できなかったり、抗原の濃度が低いと偽陰性になったりするため、簡易的な検査として使用される見込みだ。
感染症対策として、アプリの活用が広がる。クアラルンプール首都圏の飲食店では、スマホアプリで決済を求める店舗が増加した。現在は持ち帰りのみで営業が許可されており、換気の観点から、店舗前の屋外で受け渡しをする様子が多く見られる。ショッピングモールでは、ワクチンを接種した会員に、アプリ内で特典を付与する。例えば、1回目を接種した場合は、追跡アプリに証明書の画像を送ると、10リンギット(約260円)相当のポイントを加算する。
国家安全保障協議会は、死亡者の相続人1人に対して、1回のみ5000リンギット(約13万円)を支給することを発表した。受け取りには、死亡証明書などが必要となる。