ワクチン情報の開示と啓蒙を進め、接種率が世界一に @カナダ・トロント【8月5日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/8/7
- カナダ, 新型コロナウイルス世界の反応, 新型コロナウイルス関連記事
新型コロナウイルスのワクチン接種が進むカナダでは、12歳以上の80%が1回接種、64%が2回接種を終えた。7月下旬以降、世界で最も高い接種率を維持している。市民権や永住権の保持者に加えて、留学生、外国人労働者、一時滞在者を含む、12歳以上の全員に、無料で提供していることや、ワクチンに関する情報の開示に積極的であることが影響している。トルドー首相は、接種の対象者に十分なワクチンを確保したことを強調し、接種を促す。
ワクチンを2回接種した人を対象に、8月9日からアメリカ、9月7日から全ての国からの旅行者を受け入れることを発表した。カナダ領海でのクルーズ客船は、11月1日に解除する方針だ。観光シーズンではないため、乗客100人以下の小型船を中心に再開となる見込みだ。しかし、先住民の多い島や地域では、寄港が認められない可能性がある。
トロントのあるオンタリオ州では、飲食店を支援するプログラム『DineTOgether(ダイン・トゥギャザー)』を、9月17日~10月3日に行う。テイクアウトやデリバリー、店内での飲食が対象で、業界の活性化を目指す。参加する飲食店は、15~50カナダドル(約1300~4300円)のメニューを提供する。
新型コロナの感染拡大が続く中、政府は助成金や給付金の提供期間を延長することを発表した。9月に終了する予定だった『緊急賃金助成金』『緊急賃貸補助金』『回復給付金』『回復介護給付金』『回復疾病給付金』といった支援を、10月23日まで延長する。
多くの州では『カナダ皆保育(Universal Childcare)』を目指して、6歳未満の子どもを1日10カナダドル(約870円)で託児所に預けられるようにする計画が進む。プリンスエドワードアイランド州とニューファンドランド・ラブラドール州は3年以内、ブリティッシュコロンビア州やノバスコシア州、ユーコン準州は5年以内の実現を目指す。公的な保育施設やサービス、認可保育園を追加し、有資格の保育士に対する助成や賃金補償などを行う。現在は、週5日のフルタイムで利用する場合は、月額1000カナダドル(約8万7000円)程度かかるため、保育料の改善が求められている。