最初のロックダウンから1年、各地で黙とうし犠牲者を追悼 @イギリス・ロンドン【3月24日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/3/27
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イギリスは3月23日、最初のロックダウンから1年を迎えた。国内の各地では、正午に黙とうがささげられ、犠牲者を追悼した。夜間は「Beacon of remembrance(思い出の灯)」として、ロンドンアイやトラファルガー広場といった観光地、サッカースタジアムがライトアップされ、自宅前ではライトやろうそくを点灯するよう呼びかけがあった。
この1年で、観光・宿泊・飲食業などを中心に5971軒が閉鎖された。失業者は69万3000人に上り、半数をこれら接客業界が占める。イギリスを象徴するパブも営業が制限されたことで、8700万パイント(約4100万リットル)のビールが廃棄された。
ロックダウンとワクチンの効果で、22日の新規感染者数は5342人、死者数は17人と大幅に減少した。ワクチンは、接種時にメーカーを指定することはできないが、接種後に知ることはできる。アストラゼネカ製のワクチンは、ヨーロッパの9カ国が使用を見合わせる中、イギリスではジョンソン首相が接種して安全性をアピールした。市民はワクチンを接種したことをSNSで投稿するなど関心が高く、接種は順調に進んでいる。
国内ではロックダウン下における渡航は、仕事や教育、子どものケアといった理由のみに限定される。渡航時には専用の用紙で申請し、違反者は20ポンド(約3000円)の罰金となる。正当な理由以外の渡航には、最高5000ポンド(約75万円)の罰金が課されるという法律が制定され、29日から施行される。現時点では、最短で5月17日から海外旅行ができる見込みだが、この法律は6月30日まで有効とされる。
中国政府が昨年施行した香港国家安全維持法により自由が脅かされるとする香港市民に対して、政府は就労や就業ができる特別ビザの発行を行う。イギリスの海外市民権であるBNO旅券保持者が対象で、香港人口の7割にあたる540万人が該当する。6年が経過するとイギリスの市民権を獲得する手続きが可能になる。1月下旬から受付を開始し、すでに2万7000万人の申請があった。