旧正月の帰省で地方に感染が拡大した疑い @タイ・バンコク【4月20日/新型コロナウイルス世界の反応・現地レポ】

▲閑散としたパタヤ。ビーチが有名なリゾート地で以前は外国人観光客が多く訪れていた

19日の新規感染者1582人に 連日1000人超え

 タイで再び新型コロナウイルスの感染者が増加している。3月末にバンコク首都圏のバーで集団感染が発生したことを皮切りに、4月16日には新規感染者数が1582人を記録。さらに19日には1390人の感染が確認され、連日1000人を超える感染者が出る事態に陥っている。

 感染者の多くはバンコク内だが、日系企業が多い地域でも感染者が急増している。19日の感染者のうちバンコクが293人、チェンマイ県が197人、チョンブリー県が98人、サムットプラーカーン県が82人、アユタヤ県が42人、インタブリ県が39人。こうした事態を受けタイ政府はバンコク、チェンブリ、チェンマイなど18地域を特に感染リスクが高い地域に指定し、営業規制を設けることを明らかにした。商業施設の営業時間を21時まで、コンビニやスーパーなど小売店は4~23時までに制限するほか、飲食店の店内サービスも21時までとなった。また、アルコール飲料の販売も18日から2週間禁止。さらにタイ全土でバーやカラオケといった娯楽施設の営業、大規模集会を禁止することも発表した。

 ここ数日で感染者が急増している理由は、13~15日の旧正月『ソンクラーン』が関係しているとの声が強い。昨年は旧正月そのものを中止としていたが、今年は名物となっている「水かけ祭り」を中止にしたものの、旧正月は実施されていた。連休でバンコクから各地に帰省した人が多くいたことから、地方でも急速に感染が拡大したと考えられる。都内の私立小学校では教員が感染したことをきっかけに多数の児童も感染。子どもの間でも感染は広がっている。

 長引く新型コロナの影響でタイ経済への打撃も深刻だ。現地英字新聞によれば、2021年度上半期の土地販売・リース契約が前年比66.1%減となっていることをタイ工業地公団のソムチン総裁が明らかにしたという。タイでは製造業の多くが工業団地などインフラ整備された地域に工場を建設し稼働しているが、これらが大きな打撃を受けているとみられる。また、パタヤやプーケットなど外国人観光客に人気のビーチリゾートもサービス業を中心に大きな打撃を受けている。

 一方で、強気な姿勢で展開を続ける企業も少なくない。三井不動産(東京都中央区)はタイ東部のチャチューンサオ県にグループ初となる海外での物流施設の建設に着工した。エバラ食品工業(横浜市)もタイで食品製造や販売を手掛ける現地法人を設立することを発表した。また、ガソリンスタンド併設店舗を中心にタイ全土に出店している「カフェ・アマゾン」も今年中にベトナムにも店舗を拡大していくことを地元紙が報道した。新型コロナの影響のほか、隣国ミャンマーでのクーデターなどタイの経済を巡る不安材料は少なくないが、新規ビジネスの機と捉えて動く企業も少なくないようだ。

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