ワクチン接種で金銭を要求する詐欺が発生 @イギリス・ロンドン【1月20日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】
- 2021/1/26
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イギリスではワクチンの接種が進んでおり、80歳以上の半数以上が1度目の接種を終えた。今後は、70歳以上や基礎疾患を持つ人へ、対象を拡大するという。ワクチンは2度の接種が必要で、当初は3~4週間で完了する予定が、在庫が少ないため12週間ほどかかる見込みだ。
ワクチン接種の開始にともない、不正に金銭をだまし取る詐欺行為が発生した。詐欺師はNHS(国民保健サービス)からの派遣だと偽って92歳の高齢者宅を訪れ、160ポンド(約2万2000円)を請求した。NHSは無料で提供しているが、接種には一時金が必要で、後日返金されると主張したという。注射を打って帰ったというが、その中身は不明だ。
政府は18日から、全ての入国者に対して、72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明を提出することや、10日間の自己隔離を義務付けた。従わない場合は、500ポンド(約7万1000円)の罰金となる。ブラジルの変異種が拡大することを恐れ、南米やポルトガルからの渡航は一時的に禁止された。
ロンドンでは、ICU病床の利用率は100%を超え、呼吸補助器も全て利用している状態が続く。医師や医療機器が不足していることから、市民はぜんそくなど他の病気やけがをした場合、適切な治療が受けられないことを懸念している。緊急度の低い治療は優先度が下がる傾向にあり、例えばエコーの予約などは、数カ月待ちの状況だ。
市内の公共交通機関は3月1日から、運賃を約10~20ペンス(約14~28円)値上げすることを決めた。値上げ率は、地域や乗り物の種類により異なる。
Freedom of Information(情報自由法)によると、昨年1~6月の期間に、国内では約2500人の子どもが栄養失調で入院したそうだ。従来は学校で昼食を無料提供しているが、度重なるロックダウンで閉鎖が長引き、子どもへの十分な支援が行われていない現状がある。民間のチャリティー活動では、募金や食料の支援を募ったり、有名人などがSNSで発信したりする一方、政府からの援助は手薄になっている。