セミナーからオンライン名刺へ誘導、配信時のコメント投稿で交流が活性化 @Sansan Evolution Week【オンライン展示会】

展示会名:Sansan Evolution Week 2021 Spring -The Dawn of DX-
会期:2021年3月8日(月)~12日(金)
アーカイブ会期:2021年3月13日(土)~26日(金)
主催:Sansan(東京都渋谷区)
出展者数:26社

 オンライン名刺を提供するSansan(東京都渋谷区)が主催する、企業のDX推進のためのオンラインイベント「Sansan Evolution Week」が開催された。2020年6月の初開催に続き、2回目の今回は26社が出展した。開催期間とアーカイブ期間にオンラインで参加した記者が、インターフェース、セミナー、出展者ブースなどについてレポートする。


【この記事の内容】

1.インターフェースについて
 メイン画面でセミナーを配信、質疑応答ができるチャットを設置
2.セミナーについて
 リンク先は、企業ページではなく登壇者との名刺交換
3.企業ブースについて
 企業内容や動画は視聴はできるが、セミナーへの動線はなし
4.参加者の声
 来場者同士で名刺交換、メッセージ交流ができた
5.まとめ
 多くのコンテンツがメイン画面上で完結


1.インターフェースについて

メイン画面でセミナーを配信、質疑応答ができるチャットを設置

 事前登録の上、事務局から届くメールに記載されたURLからログインする。プラットフォームは、オンラインイベントツール『EventHub(イベントハブ)』を使用している。

 画面の中央には、セミナーの配信画面が表示される。右側には質疑応答ツール『slido(スライド)』が設置されており、事務局のメッセージやセミナー情報のほか、参加者が投稿できるチャット機能を備えている。

 右下では、現在交流している人数が確認できる。時間の経過と共に数値が増えたので、リアルタイムの参加者数ではなく、総参加者数のようだ。交流が商談数、参加者数のどちらを意味するのかは不明だった。

 セミナーの配信画面の下には、参加者やセミナー配信のスケジュールといった情報が現れる。配信中のセミナーは、小さい画面として左下に表示されるが、全画面や非表示にすることも可能だ。ポップアップだとさらに見やすいのではないだろうか。


2.セミナーについて

リンク先は、企業ページではなく登壇者との名刺交換

 セミナーは1時間に1本、全期間で48本がライブ配信される。配信時間や内容は、『スケジュール』から確認できる。例えば、DXの関連企業が課題解決について数社で対談する様子や、台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン氏へのインタビューなどだ。課題感や自社の業種から、セミナーを絞り込める検索機能があれば便利だろう。

 セミナー部分をクリックすると、ポップアップ画面が現れ、内容や登壇者の紹介のほか、資料がダウンロードできる。企業へのリンクは設定されていなかった。

 セミナー配信中のメッセージ欄には、配信内容の説明と登壇者のオンライン名刺が表示されていた。名刺をクリックすると別タブが開き、Sansanのオンライン名刺交換フォームに進む。

 セミナーでサービスに関心を持った場合、プラットフォーム内の企業ページではなく、登壇者との名刺交換に誘導するのが特徴だ。自社サイトへの誘導メッセージを投稿する企業もあった。セミナーと企業情報は、何らかの形でリンクしている。

 チャット欄には、感想や質問を投稿する参加者が多かった。匿名で投稿できるので、ハードルが下がるのかもしれない。さまざまな視点が加わることで、他の参加者の存在をリアルに感じられた。投稿に対してSNSのように「いいね」ができ、リアル会場でのセミナーよりも双方向性が高い印象だった。主催者や出展者は、投稿された質問に対して、セミナーやチャット内でフォローを行う場面も見られた。

 アーカイブ配信も行われたが、右側のメッセージ部分は表示されないので、登壇者のオンライン名刺情報やチャット投稿は見ることができない。登壇企業に関心を持った場合は、出展者一覧から検索する必要がある。また、セミナーにより、音の設定が異なるので、音声はその都度調整が必要だった。

 出展者によるサービス説明のセミナーでは、右下にQRコードが表示された。スマホで読み取り、名刺交換と商談予約を行うことが可能だ。メッセージで企業サイトなどを投稿する企業もあった。一方で、何も情報を配信しない企業の場合は、登壇者を来場者一覧から検索しなければならない。


3.企業ブースについて

企業内容や動画は視聴はできるが、セミナーへの動線はなし

 企業バナーには、ロゴと社名、会社説明の文章の一部が表示される。サービスについての説明はないので、簡潔にまとめてあると分かりやすいと感じた。クリックすると現在の画面の上に、企業情報の詳細が表示された画面が立ち上がった。

 企業ブースでは、企業説明や自社サイトへのリンク、担当者との名刺交換、動画の視聴、資料ダウンロードなどを行うことができる。登壇するセミナーについてPRする機能はなく、企業ブースからセミナーへの動線がない点が気になった。また、資料の一括ダウンロード機能も欲しい。

 企業の検索は、企業名のほか『名刺』『クラウド』といったキーワードで絞り込みができる。キーワードは自分で考える必要があるので、課題感のタグ設定があると便利だろう。

 『参加者を探す』では、来場者も含む参加者全ての個人名が一覧表示されており、都道府県、業種、従業員規模のタグで絞り込むことができる。

 来場者は、中央官庁に自治体、大企業から個人事業主まで、さまざまな立場の人が参加していた。業務内容を見ると、DX支援やセキュリティなど、出展者側に属する企業も多かった。これだけの名刺情報を簡単に得られる場は貴重ではないだろうか。また、参加している自分自身の情報が公開されるオンライン展示会は初めてだった。

 オンラインで名刺交換をすれば、直接メッセージを送ることができる。会期中、3社から営業メッセージが届いた。現時点では、参加者による営業活動の場になっているのかもしれない。うまく活用できれば、参加者全体で異業種交流会のような場が作れるのかもしれない。主催者がコミュニティを作れば、面白い動きが生まれるに違いない。


4.参加者の声

来場者同士で名刺交換、メッセージ交流ができた

不動産関係者

 情報収集と商談先探しのために参加し、医療や製造業の出展者と交流ができた。セミナーはあまり視聴しなかった。複数のオンライン展示会に参加したが、来場者同士で名刺交換やメッセージ交流ができる点に魅力を感じた。

食品製造関係者

 セミナー視聴のために参加した。関心を持った企業と名刺交換を行い、ウェブサイトの確認やチャット機能でやりとりをした。プラットフォームがシンプルで使いやすかった。

金融・保険業関係者

 自社関係者のセミナー視聴と、情報収集のために参加した。社内起業についてのセミナーが興味深かった。3社からメッセージをもらったが、興味がある企業ではなく、自らも企業へアプローチはしていない。イベントで交流時に、『Eight』から名刺交換ができるのが便利だ。紙の名刺の管理を省略できるからだ。


5.まとめ

多くのコンテンツがメイン画面上で完結

 メイン画面をベースに、ほぼページ遷移することなくサイト内を移動でき、操作性が良いと感じた。配信中のセミナーは、リアルタイムでコメント投稿ができるので、他の展示会とは一線を画すライブ感があった。また、リアルの展示会では体験できない、双方向性を楽しむことができた。

 セミナー配信画面から、登壇者や出展者情報へスムーズに移動できるのも良かった。参加者目線では当然の機能だと思うが、他のオンライン展示会ではその動線を用意していないことが多い。魅力的なセミナーが多いので、おすすめを絞り込める機能があるとさらに便利だろう。

 全ての参加者情報が、立場の枠を超えてフラットに公開されているのも画期的だ。オンライン名刺を持ち、自分の情報を提供することにより、出会いの幅が広がることを実感する。現時点では営業先探しが主な用途になっているようだが、主催者が仕掛けを準備すれば、質の高いコミュニケーションの場として機能するのではないだろうか。

関連記事

新着記事

  1. 2022-3-22

    バーチャルオフィスの利用急増 oVice、提供開始から1年半で利用数2000社に

  2. 2022-3-18

    第43回 2年ぶりの日本への帰国 厳しい検疫を体験【今日の中国】

  3. 2022-3-8

    展示会からウェビナー営業に切り替え コストダウン・二次利用可で「費用対効果高い」【リード獲得100本連載】A・R・P(神奈川県秦野市)

  4. 2022-3-3

    DMM.com、2022年度も約60業種のオンライン展示会を開催【オンライン展示会】

  5. 2022-3-1

    認知向上のため新聞に広告出稿、DMMオンライン展示会では93社にリーチ【リード獲得100本連載】 画屋(大阪府豊中市)

  6. 2022-2-17

    オンライン営業が一般化 ウェビナーやウェブ広告からリードを獲得 @関西 総務・人事・経理Week

ページ上部へ戻る