第35回 メイク部門は中国製に関心が集まる @CBE(China Beauty Expo)[今日の中国]

「上海美博会 2021」へ40カ国から3800社が出展

▲5月中旬に上海で「上海美博会(CBE・China Beauty Expo)2021」が開催された
展示会名:第26回 上海美博会(CBE・China Beauty Expo)2021
会期:2021年5月12日(水)~14日(金)
会場:上海新国際博覧センター(Shanghai New International Expo Center)
主催:Informa Markets、CCPIT(中国国際貿易促進委員会)、Shanghai Baiwen Exhibitions
出展者数:3800社

▲会場の上海新国際博覧センター

 5月12日から14日に化粧品展示会「上海美博会(CBE・China Beauty Expo)2021」が開催されました。会場は上海新国際博覧センターで、17棟ある施設全てを使って開催される大きな展示会です。会場の延べ床面積は約28万平方メートル。26回目となる今回は、40カ国超から3800社の企業が出展しました。

 私はこれまで4年連続で日本企業の出展をサポートする形で参加していましたが、今年は初めて自社ブランドで出展しました。その背景には、昨年から続く新型コロナウイルスの影響があります。昨年は中国でも多くの大規模展示会が中止・延期となり、商品を探すバイヤーが行き場を失う状態に陥っていました。そのため、新型コロナが落ち着いて展示会が再開されると、中国全土から一斉にバイヤーが押し寄せる異常な事態が起きていました。それに加えて、日本からの渡航が出来なかったため、日本製品の情報が枯渇していました。今中国で販売している商品の多くは新型コロナ以前から販売されていたものが多く、新しいもの好きの中国人消費者からすれば満足いかない状況が生まれてしまっています。だから、今こそビジネスチャンスがあるとも感じたのです。

▲会場の様子

 結論から言えば、今回の出展では十分な手応えを感じることができました。ブースを訪れた来場者は600人超、WeChatの登録者を合わせると1000人以上の新規顧客を獲得することができました。私が出展したのは「日本製品専門館」というエリアですが、今年はエリア内の出展者のほとんどが日本企業の代理として出展している中国企業で、私のような日本人が実際に出展しているブースが他になかったことも奏功したようです。会場全体の盛り上がりもよかったようで、まだ正式な来場者数は発表されていませんが、3日間で40万人が来場したとも聞いています。

 今年の特徴の1つとして、中国製品に対する関心が高まったことが挙げられます。メイク関連の商品に至っては、一昨年前と比べて日本企業のブースに来る人は減っているように感じましたし、一方で、「中国製品館」の企業の方は例年よりにぎわっているように感じました。その理由は、中国製品の品質が向上し、日本製品よりも安価で良質というイメージが一般消費者に浸透しているからだと思われます。ただし、スキンケア関連の製品についてはまだまだ日本の方が需要が高く、オーガニックなど自然素材のスキンケア・ヘアケア商品は今後も日本企業にとってチャンスがあると感じました。

 また今年は、中国企業が日本のプライベートブランドを製造する『日式商品』が増えていました。ただ、そうしたブースの多くはあまりにぎわってはいません。というのも、中国の消費者が求めているのは日本人が日本で製造している商品であり、日式商品は『まがい物』だと感じているためです。中国製品の人気が高まっている今、日式商品の需要はますます下がっていくのではないかという危機感も感じられました。

▲会場でオンライン商談をするブースもあった

 久しぶりの大規模展示会でしたが、新型コロナ以前と変わらず多くの人でにぎわう商談の場となりました。次は秋に開催される食品展示会にも出展しようかと思っています。中国市場は再び活気づいていますので、ぜひ注目してください。

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