感染予防のため、今年は国内旅行を推奨 @イギリス・ロンドン【6月9日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】

▲渡航リスクの区分けも急に変更される場合があり、今年は海外旅行より国内旅行の方が無難そうだ

 海外旅行が再開したイギリスでは、旅行先の国をリスク別に分け、帰国後の対応を3段階に分類した『Traffic Light system(信号機システム)』を運用する。帰国後のPCR検査が不要である、緑色に分類されていたポルトガルが、3回の検査と10日間の隔離を要する黄色へ移行された。今後も状況に応じて変更する可能性がある。政府は、今年は海外旅行ではなく、国内旅行を推奨している。

 国内最大手の航空会社ブリティッシュ・エアウェイズとアイルランドのLCCライアンエアーは、新型コロナの影響で利用できなかった場合に、航空券の返金対応に応じていないことが分かった。航空・旅行業界の多くでは、返金のほか、無償でフライトを変更できたり、独自のバウチャーを発行したりする。一方で、返金に半年かかる、フライトを再予約しても搭乗できるか分からない、バウチャーの価格以上の値段が設定される可能性があるといった課題も出ている。

 ホスピタリティ業界では、人材不足が深刻化している。医療業界では、看護師の5人に1人が辞職している。第一線で働くことへの重圧や労働環境の悪化、わずか1%の昇給といった、政策への不満が主な理由だ。ジョンソン首相の担当看護師も、同様の理由で辞職した。

 飲食業界では、​ファーロウ・スキーム(給与補償制度)が、9月まで延長されたことも影響し、スタッフの確保が難しい状況が続く。さらには、予約を無断でキャンセルする客が増加したため、レストランやパブは予約金を導入する予定だ。来店しなかった場合には、返金されない。飲食業界では、映画や航空券と同じ仕組みだという意見が出ているようだ。

 NHS(国民保健サービス)の産科監査NMPA(National Maternity & Perinatal Audit)は、新型コロナに感染した妊婦は、死産や早産の可能性が上がると発表した。昨年5月から1月に、イングランドで出産した34万人のデータを分析したところ、陽性者3527人の0.85%にあたる30人が死産で、この確率は陰性者0.34%の倍以上になる。また早産したのは陽性者の12%にあたる423人で陰性者は5.8%だった。この結果を受け、妊婦はワクチン接種とPCR検査を、迅速に実施するよう呼びかけている。

 アニメ『鬼滅の刃』の劇場版が、26日から上映される。動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)で視聴できるため、日本と同じくファンの多い作品だ。映画館では、同時に入場できる人数が制限され、グループごとに距離を確保して鑑賞できる。一方、同作品はR15に指定されたため、子どもやその家族からは、残念がる声が聞かれた。

 王室では4日、ハリー王子とメーガン妃の長女が誕生し、リリベットと名づけられた。エリザベス女王にとっては11人目のひ孫となる。エリザベス女王は1952年に25歳で即位し、来年は70周年という節目だ。歴代君主で初となる、プラチナジュビリーという祝賀イベントが予定されている。

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