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全体のサイト構成やページ移動に課題 @Japan Home & Building Show バーチャル展示会【オンライン展示会】
バーチャル会期:2021年2月24日(水)~3月12日(金)
リアル会期:2020年11月11日(水)〜13日(金)
主催:(一社)日本能率協会
出展者数:9社
同時開催:次世代ヘルスケアプロジェクト、ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO、香りデザイン東京、感染症対策EXPO
余白が多い画面構成でスクロールも必要
建築業界の展示会「Japan Home & Building Show バーチャル展示会」が、5つの合同展示会として開催され、32社が出展した。リアル展示会は2020年11月11〜13日に行われ、出展や参加できなかった人へ向けてオンライン開催した。ログイン後にすぐマイページに移動する、セミナーの説明文から視聴画面までに複数ページを介するといった、ページ移動の課題が浮き彫りになった。開催期間にオンラインで参加した記者が、インターフェース、セミナー、出展者ブースなどについてレポートする。
【この記事の内容】
1.インターフェースについて
ログイン後は、メイン画面ではなくマイページへ移動
2.セミナーについて
説明文から複数のページを介して、視聴画面にたどり着く
3.企業検索について
同時開催展を含む全出展者から探せる
4.企業ブースについて
空白の多いインターフェースで、多くのスクロールが必要
5.出展者の声
コスト削減はメリットだが、出展成果はなし
6.まとめ
間のびしたビジュアル、動線の改善が必要
1.インターフェースについて
ログイン後は、メイン画面ではなくマイページへ移動
同時開催展と共に、5つの展示会が同じサイト上で開催される。全体的に柔らかい色調のデザインで、派手な色は使われていない。
事前登録の上、ログインして参加する。ログインすると、お気に入り企業など保存した情報を参照する『マイページ』が現れた。ログイン後にメイン画面ではなく、マイページにリンクする設定は、動線として正しいのか疑問だ。マイページはトップページと共通の背景を使用する一方、文字サイズのバランスが悪い印象だ。
メニューからは、『TOPページ』『企業ブース』『セミナーメニュー』へ移動できる。画面の右側には付箋状にツールが配置され、見ているページによって項目は異なる。『ホーム画面への移動』『お気に入り登録』「検索ページへの移動』といった項目があり、ワンクリックでアクションができる。このツールは、同じ主催者である日本能率協会の「バーチャル TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)」と共通だ。
2.セミナーについて
説明文から複数のページを介して、視聴画面にたどり着く
主催者の講演、出展者のセミナーが、同じタイムテーブルの中にまとめて表示される。日程をクリックするとセミナーが一覧で表示され、視聴日や期間により、視聴できるセミナーは異なる。
各セミナーの左側にチェックを入れてクリックすると、視聴画面ではなく『お申し込みはこちら』『アンケートに回答する』というバナーが現れる。『お申込みはこちら』をクリックすると視聴画面に移動できるが、一目ではその動線を判断できない。バナーの下に記載されている、アンケート回答を促す一文も紛らわしい。この画面自体が不要だと感じた。
いくつかのページを経て、ようやくセミナーの視聴画面が表示された。中央の画面にカーソルを合わせると、再生ボタンが表示される。下にスクロールするとセミナーの説明文、登壇者の情報が確認できる。画面全体に余白が多く、かなり寂しい印象だ。
出展者のセミナーは、説明文から出展者ブースへのリンクがなく、動線が設定されていない。下方に表示される『おすすめ出展者ブース』にも優先表示がされず、関心を持った場合は企業名から探し出さなければならない。
3.企業検索について
同時開催展を含む全出展者から探せる
『各社のブースを見る』か、右下の虫メガネマークから企業を検索する。同時開催展を含む全出展者が対象だが、32社しか出展しておらず、「Japan Home & Building Show」で絞り込むとわずか9社であった。
出展企業には、プラチナ、ゴールド、カタログといったランクがあり、それぞれ1列に5社ずつ企業バナーが並ぶ。出展者が少ないので、1行に1社しか表示されない場合もあり、構築中のサイトのようだ。視覚的にも、来場者のスクロールの手間を軽減するためにも、企業バナーはまとめたほうが親切だろう。
企業バナーはロゴと企業名、3行ほどの説明文が表示される。長い文章の場合は途中で切れているなど、訴求ポイントが伝わりにくい。背景もバナーの地も白なので寂しい印象だ。
4.企業ブースについて
空白の多いインターフェースで、多くのスクロールが必要
メイン部分には、各社が独自のビジュアルを表示する。デザインがシンプルであるため、何を訴求しているか分からない出展者もいた。企業ブースからは、企業サイトへのリンク、資料のダウンロード(一括も可能)ができる。しかし、インターフェースに空白が目立ち、多くのスクロールを行わないと情報にたどり着かない点が残念であった。
5.出展者の声
コスト削減はメリットだが、出展成果はなし
f.ディライト(横浜市)
対面での会話がないので、製品情報を客観的に知ってもらえると期待して初出展した。リアル展示会では、訴求したいポイントと顧客ニーズが異なる場合には興味を持たれないので、知識情報が重要になるが、オンラインでは認識の偏りを防ぐことができる。また、造作費や人員の調整でもメリットがある。成果や結果は得られていないが、想定の範囲内だ。
匿名企業
オンライン展示会は、事前準備や運営に関わる時間、経費を削減できる。来場者にとっては移動や時間の軽減も可能だ。今回のバーチャル展示会では成果は得られていない。展示会への集客方法、規模の小ささ、コーディングの悪さが理由だ。特にバナーの見せ方が分かりにくい。今後は出展料を安価にして、商品PR動画などを利用しやすくしてほしい。
6.まとめ
間のびしたビジュアル、動線の改善が必要
全体的に、ビジュアル面が気になった。余白が多く、間のびしたインターフェースのため、スクロールが必要な場面が多かった。主催者である日本能率協会が開催した別の展示会「バーチャル TECHNO-FRONTIER」と、同じシステムを使用しているが、ビジュアルも動線も悪くなっている。淡い色調は業界のイメージにはマッチしているので、より良い形で再構築してほしい。
セミナーを中心に、サイト内の動線も気になった。無駄なページを挟まず、最短距離でセミナーの視聴画面に移動できると参加しやすい。また、セミナーから企業ブースへのスムーズな動線も必要だと感じた。